1999 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス系長繊維強化型複合材料の動的破壊機構の解析
Project/Area Number |
11750600
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芹澤 久 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (20294134)
|
Keywords | SiC / SiC複合材料 / クリープ / 有限要素法 / セラミックス / 界面要素 |
Research Abstract |
セラミックス系長繊維強化型複合材料である炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素複合材料(SiC/SiC複合材料)について、その動的破壊機構としてクリープ変形における破壊過程の解析を行った。具体的には、まず実験的な破壊過程の解析として、切欠き入りSiC/SiC複合材料のクリープ試験について、切欠き先端からのクラック進展挙動を調べた。その結果この破壊過程では、主として、クラック開口部におけるブリッチング機構に働いている繊維のクリープ変形により、複合材料全体が見かけ上クリープ変形を生じることが分かった。 一方、この破壊現象を解析する手法として、き裂の発生・進展を新しいき裂表面の生成という立場でとらえた、界面要素を用いた有限要素解析法を用いた。この解析法は、一定の表面エネルギー密度を有するポテンシャル関数に基づき導かれた界面要素をき裂進展面に配置し、表面エネルギー密度に相当するエネルギー散逸をともないながらき裂が発生・進展する状態を、自動的に解析できるようにしたものである。そこで本研究では、界面要素のポテンシャル関数に繊維のクリープ特性を組込むため、時間依存型界面要素を開発した。時間依存型界面要素としては、1)通常の有限要素解析法と同様にクリープひずみを導入する手法(モデル1)と、2)界面要素のポテンシャル関数の特徴を利用する手法(モデル2)の二種類を開発した。そして実験結果に基づき、この時間依存型界面要素を切欠き先端からき裂進展方向に配置し、その他の部分を通常の有限要素を用いて実験をモデル化した。 解析の結果、モデル1,2の両者とも、実験における定常クリープ現象を再現することができた。そしてモデル2を用いた場合には、モデル解析として、定常クリープだけでなく加速クリープ現象、さらに定常クリープから加速クリープへの遷移現象も再現することができた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Ando: "New FEM Aralysis of Crock Growth Behavior in Composite Materials"Proceeding of 12th International Conference on Composite Materials. (CD-ROM出版). (1999)
-
[Publications] 安藤東宙: "SiC/SiC 複合材料の Slow Crock Growth に関する解析"溶接構造シンポジウム'99講演論文集. 209-215 (1999)
-
[Publications] H.Serizawa: "Development of Computational Evaluation Methods for Creep Deformation of SiC/SiC Composites"Transactions of JWRI. Vol.28.No.2 (印刷中). (1999)