1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11750610
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| Research Institution | Toyohashi University of Technology |
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Principal Investigator |
福永 啓一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10303702)
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| Keywords | 歯科用合金 / 銀パラジウム銅金合金 / 破壊 / 破壊靭性 / ミクロ組織制御 / 時効 / 熱処理 / 静的破壊靭性値 |
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| Research Abstract |
歯科用銀パラジウム銅金合金(Ag-20.0%Pd-14.5%Cu-12.0%Au-2.0%Zn)に種々の熱処理を施し,大気中での破壊靭性試験を行い,破壊靭性とミクロ組織との関係を調査した。この歯科用銀パラジウム銅金合金に,幾つかの熱処理を施すミクロ組織制御により,構成相の比率を変化させた。その後に,適切な機械加工により試験片を成形し静的破壊靭性値を測定した。施した熱処理は,溶体化後空冷,溶体化後水冷および溶体化後時効の3種である。歯科用銀パラジウム銅金合金の溶体化後水冷材での静的破壊靭性値は溶体化後空冷材と比べわずかではあるが大きい。しかしながら,溶体化後時効材では,静的破壊靭性値は著しく低下した。この合金は,主に強度の比較的弱いα_1相および強度の比較的強いα_2相から構成され,さらに,時効により構成相よりβ相が析出する。溶体化後空冷材は,α_1相,α_2相およびβ相からなり,溶体化後水冷材は,α_1相およびα_2相から,さらに溶体化後時効材では,α_2相およびβ相からなる。β相が比較的多い溶体化後時効材では,このβ相がき裂の発生および進展サイトとなるため,静的破壊靭性値が低下したと考えられる。しかしながら,β相が冷却中に析出する溶体化後空冷材が,β層の存在しない溶体化後水冷材により破壊靭性値が大きい要因は,比較的延性が優れるα_1相がわずかに溶体化空冷材に多く存在しているためであると考えられる。
今後,銀パラジウム銅金合金の構成相であるα_1相,α_2相およびβ相の割合を熱処理により変化させ,破壊靭性に及ぼすミクロ組織の影響を調査する。
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[Publications] 高橋志郎: "銀パラジウム銅金合金の破壊特性に及ぼすCuおよびZnの影響"歯科材料・機器. 17巻5号. 294-303 (1998)
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[Publications] 高橋志郎: "銀パラジウム銅金合金の引張破壊特性に及ぼすβ相の体積率の影響"歯科材料・機器. 17巻6号. 370-377 (1998)
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[Publications] S.Takahashi: "Effects of Heat Treatment Conditions on Fracture Characteristics of Dental Noble Alloys"Proc.6th Japan Int.SAMPE Symposium. 1221-1224 (1999)
