1999 Fiscal Year Annual Research Report
体心立方晶構造を有するマグネシウム-ニッケル合金系の設計と水素化特性の高性能化
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11750614
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
折茂 慎一 広島大学, 総合科学部, 助手 (40284129)
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Keywords | マグネシウム / ニッケル / 水素 / 非晶質 / 立方晶 / ラーベス相 / 希土類 / 規則配置 |
Research Abstract |
今年度の研究成果を以下にまとめる。 1.固溶水素量の増大が期待される、様々な(Mg_<1-x>A_x)(Ni_<1-y>B_y)系の設計に成功した。 (1)A元素として「アルミニウム」を選定した場合(y=o)には、その置換量(x)に依存して長距離秩序を有した塩化セシウム型立方晶構造が発達した。この構造発達に伴なって、当該材料系での最大の難関であった「脱水素化温度の低下」が実現できた。 (2)B元素として「パラジウム」を選定した場合(x=o)にも、その置換量(y)に依存して同様の塩化セシウム型立方晶構造が発達することを見出した。現在、水素化特性の評価を進めている。 (3)A元素として「バナジウム」、「チタン」、「ジルコニウム」、「ハフニウム」を選定した場合(y=o)には、各元素のニッケルとの親和性の差異によって、種々の構造形態をとることが見出された。特に「バナジウム」の場合、体心立方晶構造の発達を示唆する結果が得られた。 2.脱水素化温度の低下が期待される、様々な(Mg_<1-x>R_x)Ni_2(ここでRは希土類元素)系の設計を開始した。 (1)R元素として「イットリウム」を選定した場合には、立方晶ラーベス相構造が生成する。特にx=0.5の場合には、「マグネシウム」と「イットリウム」が規則配置した新規構造が発達することを見出した。この構造の発達に伴なって、「脱水素化温度の低下」が実現できた。 (2)R元素として他の各種希土類元素(「ランタン」、「セリウム」など)を選定し、現在、結晶構造(構造形態)および水素化特性の評価を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Orimo,S: "Hydriding properties of the MgNi-based systems"Journal of.Alloys and Compounds. 293-295. 437-442 (1999)
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[Publications] Orimo,S: "Hydriding properties of nanostructured Mg-xat%Ni(x=33-50)with a different amount of amorphous MgNi"International Journal of Hydrogen Energy. 24. 933-937 (1999)
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[Publications] Orimo,S: "Hydrogen in the mechanically prepared nanostructured graphite"Applied Physics Letters. 75. 3093-3095 (1999)
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[Publications] 折茂、慎一: "非晶質単相MgNi-H(D)系の水素化特性-短距離秩序からの検討-"日本金属学会誌. 63. 959-964 (1999)
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[Publications] Yamamoto,K: "Hydriding properties of the heat-treated MgNi alloys with nanostructural designed multiphase"Journal of Alloys and Compounds. 293-295. 546-551 (1999)
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[Publications] Higuchi,K: "In situ Study of hydriding-dehydriding properties in some Pd/Mg thin films with different degrees of Mg crystallization"Journal of Alloys and Compounds. 293-295. 484-489 (1999)
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[Publications] 藤井、博信 折茂、慎一: "マグネシウム技術便覧"日本マグネシウム協会、サロス出版(株). 101 (1999)