1999 Fiscal Year Annual Research Report
位相制御高周波バイアス法を利用したプラズマイオン衝撃環境の高度制御
Project/Area Number |
11750617
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津田 統 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10242041)
|
Keywords | プラズマプロセス / 高周波バイアス / 高周波スパッタリング / イオンエネルギー分布 / 位相制御 / 高周波スパッタリング / シース / 干渉 |
Research Abstract |
高周波バイアス高周波スパッタリングにおいて、基板バイアス用の高周波とターゲット用の高周波の位相制御により、高周波印加電極に入射するイオンエネルギーがどのような影響を受けるかを検討した。高周波印加電極上でのイオンエネルギーは、位相制御をしない場合、すなわち二つの高周波を同期させない場合は広がりを持った歪んだ分布になるのに対し、位相制御をした場合は高周波シースによって加速されるイオンに特徴的な鞍型分布を示した。また、イオンエネルギーの広がりは位相差により変化することが見出された。すなわち、位相制御はイオンエネルギーが二つの高周波の干渉によって歪むのを防ぐとともに、イオンエネルギー分布制御するのに有効であることが明らかとなった。さらに位相差によりシース厚み、イオン電流値が変化すること、位相制御した場合の鞍型エネルギー分布は通常の鞍型分布より非対称性が強く、シース構造・挙動が通常の高周波シースと異なることが見出された。これらの結果から、位相制御によるイオン衝撃条件を精密制御の可能性が示された。また、イオンエネルギー分布のシミュレーションとの比較から、干渉によるイオンエネルギー分布の歪みは基板に印加されているバイアス電圧の低周波成分(すなわち、イオンプラズマ周波数より低い成分)に由来していること、また、このようなイオンエネルギー分布測定は、測定システム全体が高周波印加されたシステムによってのみ可能であることが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)