1999 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマチャンネルによるアーク放電制御に関する基礎研究
Project/Area Number |
11750624
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (90273713)
|
Keywords | プラズマチャンネル / アーク放電 / 狭開先 / ラインフォーカス / パルス圧縮 |
Research Abstract |
高速アーク溶接を実現する一つの方法として狭開先の導入が考えられる。これを実現するためにはアーク放電の安定化が必要となる。本研究では、高強度レーザーにより生成したプラズマチャンネルによるアーク放電の安定化を研究の主目的としている。プラズマチャネル生成のためにパルス発振のYAGレーザーを用いた。基本波長(1w)、1064nm、パルス幅、6nsである。1w光を大気中に集光した結果、プラズマチャンネルは発生したが、空間的に一定の位置に留まらないことがわかった。これは、空気中に浮遊する塵によるレーザー光の吸収が関係していると考えられる。次に波長変換素子により4倍高調波(4w)を発生させ単レンズによる集光実験を行った。4w光の場合、空間的に揺らがない安定なプラズマチャンネルを生成することができた。サイズは、3mm程度であった。レーザー(4w)光をステンレススチールの開先内に集光し、プラズマチャンネルを生成した。この際、プラズマチャンネル生成に使われずに、プラズマチャンネル内通過後、開先底部(母材)に損傷を与えたレーザー光の存在が確認できた。そこで母材に到達するレーザー光を低減するための集光法の一つとして円錐状(アキシコン)レンズによる集光システムを設計し、現在製作中である。適当なアキシコンレンズを選択すれば、光軸上に任意のラインフォーカスを実現することができる。研究実施計画にも記述したように1cm程度のプラズマチャンネルが生成できるよう設計を行った。1cmの範囲に集光すると単レンズによる集光の場合より単位面積あたりの強度は減少することになる。そこで、プラズマチャンネル生成に必要なレーザー強度を保つためにレーザパルスの時間的圧縮を行う。圧縮には、誘導ブリルアン散乱を利用する。
|