2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750626
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 誠 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (10294133)
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Keywords | 陽極接合 / 陽極酸化 / イオン伝導 / Kovar合金 / アルミニウム / ホウケイ酸ガラス / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
Kovar合金とホウケイ酸ガラス、Kovar合金表面にスパッタしたアルミニウム膜とホウケイ酸ガラスの陽極接合を行い、接合温度と接合時間の違いによる継手の特性と継手界面の組織の変化を観察した。 まず接合のプロセスについては、接合温度を高くすると接合の進行が著しく加速することがKovar、アルミニウムいずれの継手においても見出された。継手の強度については、継手部断面ほぼ全体の接合が達成された継手はいずれの材質の継手も8〜12Mpaのせん断強度を示し、接合時間、接合温度による強度の違いは明らかでなかった。 SEMとEPMAを用いて継手接合部の断面組織観察を行ったところ、接合界面での反応層の形成はいずれの材料の継手でも明らかでなかったが、界面近傍のガラス中に形成されるアルカリイオン欠乏層の成長速度が、Kovar合金の継手ではアルミニウム膜の継手と比べて2、3倍大きくなることが見出された。 さらにTEMを用いて継手界面近傍の詳細な観察を行ったところ、Kovarの継手では鉄とシリコン、酸素を高濃度に含むアモルファスの複合酸化物層と鉄と酸素を主成分とするFe_3O_4の層の2つの界面反応層が、アルミニウム膜の継手ではアルミニウムと酸素を主成分とするγ-Al_2O_3の反応層が継手界面の全面に形成されていることが見出された。反応層の厚さはKovarの継手中に形成されたもののほうがアルミニウムの継手に形成されたものと比べて数倍大きく、SEM、EPMAで観察されたアルカリ金属イオン欠乏層の厚さの違いは部分的にはこれらの反応層の形成によるアルカリイオン欠乏層中の過剰酸素の消費で欠乏層の成長を抑制する層中の電荷の中和が生じることによってよって説明されるものと考えられた。しかしアルカリイオン欠乏層中の過剰酸素の量から期待される反応層の厚さを計算すると、実際に観察された反応層の厚さよりも数倍大きく、反応層の形成以外にもアルカリイオン欠乏層中の電荷を中和する何らかのメカニズムが働いていることが推察された。
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