1999 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー励起-ICP質量分析装置による介在物組成および粒系の径の迅速測定
Project/Area Number |
11750637
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 裕己 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (20271976)
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Keywords | レーザー励起 / ICP / 質量分析装置 / 介在物 / 組成 / 粒径分布 / メタル組成 |
Research Abstract |
アーク炉であらかじめFe-10%Ni合金、Fe-X合金(X=Al,Si,Ti,ZrおよびCe)、Ni-Ca合金を溶製した。このFe-10%Ni合金を、LaCrO_3抵抗炉または黒煙発熱体高周波誘導炉を用いて、1600℃、脱酸アルゴン雰囲気下、Al_2O_3またはMgOるつぼ中で溶解した。その後、所定量のFe-X合金またはNi-Ca合金をFe-10%融体中に添加し、攪拌して一次介在物を分散させた後、直ちにるつぼごと水中急冷した。 得られたメタル試料を切断し、断面を鏡面研磨した後、レーザー光を照射して、断面に存在する介在物を蒸発させた。この蒸気を、高流量のキャリアガスにより高周波誘導結合プラズマ部に導入してイオン化し、質量分析装置により、イオン量の経時変化を求めた。レーザー光の強度および走査速度を種々変化させて測定し、測定条件を詳細に検討した。得られたイオン量の経時変化曲線を積分することにより、介在物の粒径分布を求めた。また、このレーザー励起-ICP質量分析法により、介在物組成がX酸化物であることを確認した。さらに、マトリックス金属についてのレーザー励起-ICP質量分析法による測定結果から、メタル標準試料についての測定結果と対比することにより、マトリックス金属組成を求めることが可能であった。 マトリックス金属組成の測定に用いた標準メタル試料は以下の方法で作成した。アーク炉であらかじめ作成したFe-10%合金、Fe-X合金(X=Al,Si,Ti,Zr,またはCe)、Ni-Ca合金を所定量混合し、再度、アーク炉で溶製して標準メタル試料とした。また、得られた合金を、黒煙発熱体高周波誘導炉を用いて、1600℃、Ar-7%H_2雰囲気下、MgOるつぼ中で溶解し、メタル底面を冷却しながら下方に引き抜く方法(一方向凝固法)により、介在物を浮上させながらメタル融体をゆっくり凝固させた。この方法により、介在物をほとんど含まない標準メタル試料を得た。
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