1999 Fiscal Year Annual Research Report
擬似移動層型クロマトグラフィック固定化酵素反応器によるオリゴ糖合成
Project/Area Number |
11750665
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河瀬 元明 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60231271)
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Keywords | ラクトスクロース / βーフルクトフラノシダーゼ / 擬似移動層 / クロマトグラフィックリアクター / 固定化酵素 / フルクトシル基転移反応 / 反応速度解析 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1.固定化酵素カラムのみを用いた反応実験 グルタルアルデヒド法により、βーフルクトフラノシダーゼをイオン交換樹脂に固定した。担持量の異なる2種類の固定化酵素を調製し、50℃で、ラクトスクロース合成反応実験ならびに副反応であるスクロースの加水分解反応とラクトスクロースの加水分解反応の実験を行った。固定化酵素の場合でも、酵素溶液の場合と同じ反応機構が適応することがわかった。各固定化酵素試料について、反応速度式中の定数を求めた。得られた式は、実験結果を良好に再現した。また、固定化酵素の担持量が過大なときには、製品収率が低下することがわかった。 2.破過応答実験による吸着等温線と総括物質移動係数の測定 ラクトース、スクロース、ラクトスクロース、グルコース、フルクトースの各成分について、シングルカラムでの破過応答実験を行い、吸着等温線ならびに総括物質移動係数を決定した。本実験条件の範囲内では吸着平衡は線型であった。 3.擬似移動層型クロマトグラフィックリアクターを用いたラクトスクロース製造 調製した固定化酵素カラムを組み込んだ擬似移動層型クロマトグラフィックリアクターを用いて、実験を行ない、ラクトスクロースを合成することができた.製品取り出し口付近に固定化酵素カラムを配置すると、生成したラクストスクロースが加水分解し、収率が低下することがわかった。これを避けるためには、固定化酵素カラムを原料供給口付近にのみに配置すればよい。スクロース反応率を増加させていくと、製品収率も増加していくが、反応率が100%に近くなると、逆に製品収率が低下することが明らかとなった。
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