1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子の共同作用に基づく分子認識系の創製とプロセスへの応用
Project/Area Number |
11750668
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
塩盛 弘一郎 宮崎大学, 工学部, 助手 (80235506)
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Keywords | 分子集合体 / 抽出分離 / 逆ミセル / 分子認識 / タンパク質 / 分子間相互作用 / 液一液抽出 / バイオセパレーション |
Research Abstract |
ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)が作る逆ミセル系へ種々の構造の長鎖アルキルアミンを添加して水の抽出挙動を調べた。長鎖アルキルアミンを添加して系は、水相のpHが低くなると水の抽出量が急激に低下し、逆ミセルが形成しなくなった。水の抽出量が低下し始めるpHは、3級アミン<2級アミン<1級アミン、トリアルキル<ジアルキルメチル<アルキルジメチル、分岐アルキル基<直鎖アルキル基の順に高くなった。この順序はアルキルアミンの構造によるpKa変化の傾向とよく一致している。長鎖アルキルアミンがカチオン性のアンモニウムイオンとなり、アニオン性のAOTと静電相互作用し疎水性の高い会合体を形成するため逆ミセルが形成されなくなると考えられる。静電相互作用による分子間相互さようにより逆ミセルのような分子集合体の構造を制御できることが示された。これらの結果より、タンパク質抽出に適した逆ミセル系の設計が可能となった。 ジオクチルアミン(DOA)およびジー2-エチルヘキシルアミン(DEHA)をAOT逆ミセルへ添加した系を用いてリゾチームの逆ミセル抽出実験を行った。リゾチームは、アミン混合AOT逆ミセルへ抽出され、逆ミセルを形成しないpHの水相と接触させると効率よく逆抽出できた。長鎖アルキルアミンとAOTの静電相互作用により逆ミセルの形成を制御することにより、タンパク質の抽出制御が行えることが示された。長鎖アルキルアミンとAOTとの静電相互作用によりリゾチームとAOTとの静電相互作用が抑制される事がわかった。リゾチームの逆ミセル抽出リゾチームの逆ミセル抽出長鎖アルキルアミンの添加濃度による逆抽出率の変化から逆ミセル内へ抽出されたリゾチームとAOTとの相互作用について検討を行っている。さらに、長鎖アルキルアミンとAOTとの会合錯体と他の水溶性化合物について検討を検索している。
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[Publications] D.-P. Hong,R.Kuboi,K.Shimori.Y.Kawano: "Modification of Reverse Micellar Properties by the Addition of Alcohols or Alkyl Amines and Their Applications for Extraction Prcess of Proteins"Proceedings of The 8th APCChE Congress. 2. 475-478 (1999)
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[Publications] K.Shimori,Y.Kawano,R.Kuboi I.Komasawa: "Extraction of Proteins and Water with Sodium Bis(2-Ethylhexyl)Sulfosuccinate/Long Chain Alkyl Amines Mixed Reverse Micellar System"Journal of Chemical Engineering of Japan. 32・2. 177-183 (1999)
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[Publications] K.Shimori,T.Honbu,Y.Kawano,R.Kuboi,I.Komasawa: "Reverse Micellar System for Protein Extraction Using Sodium Bis (2-Ethylhexyl)Sulfosuccinate and Long Chain Alkyl Amines"Proceedings of The Third Taipei-Kyushu Joint Symposium on Chemical Engineering,1999. 212-214 (1999)