1999 Fiscal Year Annual Research Report
水素分離型メンブレンリアクターへの組み込みを想定した白金族金属合金薄膜の作製
Project/Area Number |
11750670
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
上宮 成之 成蹊大学, 工学部, 助手 (60221800)
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Keywords | 水素 / 分離 / 薄膜 / パラジウム / 銀 / 合金 / めっき / メンブレンリアクター |
Research Abstract |
高表面積を有する金属薄膜の調製に有効であるめっき法を取りあげ、Pd-Ag合金薄膜の作製法について検討した。当初、無電解めっき法でPd-Agの共析を試みたが、両者の還元電位の差は大きく、Agが析出した後Pdが析出するため、共析は困難と判断した。そこで電気めっき法で、水素分離に有効なPd/Ag比で共析可能な浴を調製することを目的とし、電気接点用めっきとして報告されているAg-Pdめっき浴を基本浴として、それに改良を加えることにした。めっき条件を検討した結果、アノードにはチタン白金(Ti-Pt)電極より、Ag電極の方が適することがわかった。Ti-Pt電極では析出物の形態が著しく悪化したが、めっき時にpHが急激に下降した(pH7.9→1.9)ことと関係していると考えられる。この急激なpHの低下は、アノードで水酸化物イオンが消費(4OH^-→2H_2O+O_2+4e^-)されたためと推測した。一方、Ag電極ではめっき前後でのpH変化は緩やかであった(pH8.0→8.4)。水酸化物イオンの分解反応に加えてAgの溶出反応(Ag→Ag^++e^-)が競争的に起こったため、pH変動の抑制につながったと推測している。さらに緩衝剤であるホウ酸を添加したところpH変動がさらに抑えられ(pH4.22→4.36)、析出物の表面状態がより向上した。このようにして得られた析出物は、PdとAgが共析・合金化しているとことがX線回析(XRD)で確認できたが、残念ながらクラックが多く、現時点では水素分離膜としては使用できない。クラックの生成は原因がめっき中に発生する水素による金属脆化と考えており、いくつかの対策技術について検討しているところである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Kajiwara,S.Uemiya,T.Kojima: "Stability and Hydrogen Permeation Behavior of Supported Platinum Membranes in Exstence of Hydrogen Sulfide"Int.J.Hydrogen Energy. 24(9). 839-844 (1999)
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[Publications] M.Kajiwara,S.Uemiya,T.Kojima,E.Kikuchi: "Hydrogen Permeation Properties through Composite Membranes of Platinum Supported on Porous Alumina"Catal.Today. 56(1-3). 65-73 (2000)
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[Publications] E.Kikuchi,Y.Nemoto,M.Kajiwara,S.Uemiya,T.Kojima: "Steam Reforming of Methane in Membrane Reactors:Comparison of Electroless-plating and CVD Membranes and Catalyst Packing Modes"Catal.Today. 56(1-3). 75-81 (2000)
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[Publications] M.Kajiwara,S.Uemiya,T.Kojima,E.Kikuchi: "Rhodium- and Iridium-dispersed Porous Alumina Membranes and Their Hydrogen Permeation Properties"Catal.Today. 56(1-3). 83-87 (2000)