2000 Fiscal Year Annual Research Report
低温域温度応答抗体の開発とそのアフィニティ沈殿法による免疫特異的結合蛋白質の精製
Project/Area Number |
11750685
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
星野 一宏 富山大学, 工学部, 助教授 (20222276)
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Keywords | 温度刺激応答性高分子 / ヒト免疫グロブリンG / Protein A / 免疫特異的結合蛋白質 / アフィニティ沈殿法 |
Research Abstract |
4℃という生化学物質の精製に適した温度でアフィニティ精製を行うことのできる新規な温度応答型抗体を開発し、この抗体を利用するためのバイオプロセスを開発するために、低温域温度応答性高分子(Poly-acryloyl piperazine)を開発し、この高分子体へ多くのIgGのFc領域を結合させたアフィニティ吸着体を調製した。本年度はこの吸着体を可溶状態で使用し、黄色ブドウ状細菌の破砕物から沈澱画分を分離することなく直接細胞壁に存在するProtein Aを吸着させ、温度の上昇により吸着体を不溶化させ、Protein Aを効率よく高純度に精製することを検討した。平成12年度に行った内容を記す。 1)低温域温度応答抗体の調製 昨年度、調整した低温域温度応答型高分子Poly(AP-co-MA)中の側鎖に存在するカルボキシル基と、Papainによる調製したヒト免疫グロブリンG(IgG)のFc領域を水溶性カルボジイミドを用いた酸アミド結合により、低温域温度応答型抗体を調製した。 2)アフニティ吸着体としての性質 調製した低温域温度応答型抗体のProtein Aに対する吸着・解離特性を評価し、本抗体の特性を明らかにする。Protein Aの濃度は酵素免疫測定法(ELISA)により測定した。さらに、抗体に結合したProtein Aの解離方法について検討し、このアフニティ吸着体が繰り返し利用可能であることを示した。 3)アフィニティ沈澱法への利用 低温域温度応答型抗体を利用したアフィニティ沈澱法を開発し、Protein Aの分離・精製の省プロセス化を計った。その結果、4℃の可溶状態においてProtein Aとの吸着を行った後、粗試料溶液の温度を10℃に上昇させることにより不溶化させ、目的物質であるProtein Aを沈殿として回収した。この後、この沈殿に解離剤を添加することによりProtein Aを溶出させ、さらに、低温域温度応答型抗体は再び溶解させことにより再利用可能なプロセスを構築できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuhiro Hoshino: "Desorption properties of preadsorbed methal ions from sodium polyacrylate gel"Journal of Chemical Engineering of Japan. 34. (2001)
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[Publications] Kazuhiro Hoshino: "Synthesis of ethyl α-D-glucoside by use of reverse hydrolysis α-D-glucosidase in ethanol"Biotechnology Letters. 23. (2001)