1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規細胞保護剤を指向したネンジュモ属ラン藻細胞外多糖質の解析
Project/Area Number |
11750691
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梶山 慎一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20243496)
|
Keywords | 陸生ラン藻 / 細胞外多糖質 / 耐乾燥性 / 構造解析 / 細胞保護 / Nostoc sp. |
Research Abstract |
本研究は、極めて高い細胞外多糖質生産能及び、乾燥耐性を有する陸生ラン藻(Nostoc sp.)を題材とし、細胞外多糖質の精密な構造解析を行い、多糖構造と耐乾燥性との関わりについて知見を得るとともに、新規細胞保護剤開発のための基礎的知見を得ることを目的としている。本年度は具体的に次の3点について検討を行った。1)細胞外多糖の効率的な抽出・精製方法の確立。2)構成多糖分析。3)完全加水分解及び誘導体化による構成糖の精密分析。1)においては、藻体より多糖を抽出する前にメタノールにて脂溶性画分を取り除くことにより、大幅にその後の多糖精製のスッテップが簡略化できることが判った。さらに多糖を熱水抽出する際、藻体を微粉状に破砕することにより、抽出効率を約20%向上させることができた。2)においては、1)で得た粗精製物を、透析、エタノール沈殿、ゲルろ過を行って精製した。得られた精製多糖質について分析した結果、約7%の蛋白質が検出されたが、一般的な除タンパク手法ではこれを除くことができず、糖とタンパクの強固な結合が予想された.3)については2)で得た多糖を、無水塩酸メタノールにて完全メタノリシス後TMS化し、GC-MS分析に供して,構成単糖の構成とその比率を求めた。その結果、構成糖として、グルコース、ガラクトース、グルクロン酸、キシロース、ラムノース、マンノースの他メチル化6炭糖と考えられる糖が検出された.来年度以降、多糖の部分加水分解を行い、NMR分析によって多糖の構造を明らかにしてゆく予定である。
|