2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNAシャフリングによる多環芳香族アミン分解菌の構築
Project/Area Number |
11750696
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
武尾 正弘 姫路工業大学, 工学部, 講師 (40236443)
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Keywords | アニリン酸化酵素 / ナフタレン酸化酵素 / DNAシャフリング / ハイブリッド分子 / Acinetobacter / Pseudomonas / ナフチルアミン / 多環芳香族アミン |
Research Abstract |
強い毒性と変異原性を有する多環芳香族アミンに対する酸化酵素を新規に構築するために、アニリン酸化酵素およびナフタレン酸化酵素の基質特異性を支配するterminal oxygenase large subunit(LS)遺伝子部分をDNAシャフリング技術を用いて遺伝子レベルで融合させ、ナフチルアミンに対する酸化酵素の構築を試みた。まず、アニリン酸化酵素のLS遺伝子(atdA3)およびナフタレン酸化酵素のLS遺伝子(nahAc)を4塩基対認識制限酵素で消化し、50bp前後のサイズのDNA断片を得た。次に、両者を混合し、2ステップのPCRでハイブリッド型遺伝子を再構築し、アニリン酸化酵素遺伝子の中のLS遺伝子部分と交換した。塩基配列解析の結果、種々のハイブリッド型が得られたので、この組換え分子をP.putida KT2440へ広宿主域グラム陰性菌用ベクターを介して導入した。得られた組換え体を用いて1-ナフチルアミンに対する酸化活性を測定したところ、ほとんどの組換え体では、アニリン酸化酵素と同様、1-ナフチルアミンに対する酸化活性は認められなかった。一方、いくつかの組換え体については、ナフタレン酸化酵素と同様、ナフチルアミンを別の代謝物(未同定であるが1-アミノ5,6-ジヒドロキシナフタレンと推定)へ変換したが、アンモニアの遊離は認められなかった。従って、現段階ではナフチルアミンからアンモニアを遊離して酸化する目的のハイブリッド型は得られていない。本研究では、P.putidaでのアニリン酸化酵素遺伝子の発現システムと酵素活性測定法が確立した(H11実績報告)ので、今後、DNA断片をさらに小さなサイズのものを用いるなど、ハイブリッド分子の構築条件の検討が必要である。
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Research Products
(1 results)