1999 Fiscal Year Annual Research Report
X線光電子回折法を用いた収束イオンビーム加工断面の表層領域損傷評価
Project/Area Number |
11750700
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 秀司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30251466)
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Keywords | X線光電子回折 / 表面構造 / オージェ電子回折 / 二次イオン質量分析 / 収束イオンビーム加工 / ガリウム収束イオンビーム / 光電子ホログラフィー |
Research Abstract |
収束イオンビームによる表面微細加工に伴う加工断面の汚染と構造・化学状態の変化を、X線光電子回折法・オージェ電子回折法により明らかにすることを目的とする。プローブとする光電子およびオージェ電子の運動エネルギーを変化させることで、電子の脱出深さを変えて、測定対象の深さ領域を最表面から10原子層程度の領域で設定することが可能である。これにより、単にイオンビームにより加工された断面の最表面のみの構造・組成だけでなく、深さ方向にどのような組成・構造変化が起きているかを明らかにすることができる。 1.XPED解析用2次元同時高速検出システムの作製 X線光電子回折装置とガリウム収束イオンビーム分析装置は独立して実験が行われており、両者を統合した装置を作ることは多大な時間と労力を要するため、両装置間で試料をin-situで搬送するための持ち運び可能な試料搬送簡易チェンバーを組み立てる予定であったが、別プロジェクトによりXPED分析装置系に収束イオンビーム装置を組み込める見通しが立った。さらにマルチエネルギー強力X線を光源として使えるようになったため、本年度は微小部位測定用にXPED測定装置の検出器の高速化を行った。従来の測定をより高速化するために、2次元同時検出による測定の高速化の理論的・実験的研究やそれに基づくシステム作製を行った。また新しいタイプの電子レンズに対する理論的検討を行い、リアルタイム測定への装置的検討を行った。 2.イオンビーム加工断面のX線光電子回折・オージェ電子回折測定の理論的検討 上記の装置を使い、Si,Geなどの半導体単結晶を試料として、ガリウム収束イオンビームによるシェーブオフ加工を行い、その加工断面の表層領域の構造・組成・化学状態をX線光電子回折・オージェ電子回折により調べるために、測定モードやその他実験条件に関する検討を理論面を中心に行なった。
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Research Products
(1 results)