1999 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒顕微光熱変換分光法によるナノ半導体材料評価法の研究
Project/Area Number |
11750702
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
沈 青 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50282926)
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Keywords | 半導体微結晶 / ポーラスシリコン / CdS_xSe_<1-x>ドープガラス / 光音響スペクトル / 超高速レンズ効果 / 無輻射緩和 / 量子サイズ効果 / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
平成11年度では、半導体微結晶試料の作製と標準試料を用いたフェムト秒顕微光熱変換分光法の基礎実験を行い、それぞれ興味ある結果が得られている。 1)半導体微結晶試料の作製と評価 (1)ポーラスシリコンの作製と評価 HF溶液中においてp型シリコンを陽極化成することによって、ポーラスシリコンを作製した。電流密度は1mAで、HF濃度47%、暗所室温、化成時間は15分から60分まで行った。さらに作製した試料をフッ酸溶液でエッチングした。原子間力顕微鏡、電子顕微鏡、光音響分光法、蛍光スペクトルと蛍光励起スペクトル測定などを利用し、作製した試料の構造と光物性の変化について検討した。特に、光音響測定よりポーラスシリコンを基板から剥離させずにその光吸収情報が得られ(従来の方法では不可能)、そのエネルギーギャップを見積もることができた。エッチング処理によって、Si微結晶は小さくなり、間接遷移の特徴はありながら蛍光強度は強くなり、量子サイズ効果が強くなることを見出した。 (2)ガラス中に分散したCdSe微結晶の作製と評価 GeO_2とNa_2O(モル比:92:8)のガラス原料に、1wt%のCdSe半導体原料を混合・融解後、急冷して再熱処理する2段階プロセスによってCdSe微結晶分散したガラス試料を作製した。熱処理温度と時間の増加に伴い、光吸収端が低エネルギー側にシフトし、量子サイズ効果を反映するピークが不明瞭になることを判明した。熱処理条件の変化によって、平均粒径は2nmから6nm以上のCdSeナノ微粒子分散ガラス試料の作製に成功したことを確認した。 2)標準試料を用いてフェムト秒顕微光熱変換分光法の基礎実験 東京大学大学院工学系研究科応用科学専攻・澤田研(共同研究)の超高速レンズ効果(ULE)測定法を用いて、HOYA製O56シャープカットフィルター(CdS_xSe_<1-x>微結晶(x=0.26)を含む)を対象として、光励起後の無輻射緩和のダイナミクスについて検討した。平均粒径が5.3nmから9.4nmまでの試料のULE信号から、三つの緩和成分(時定数はそれぞれ約1ps、数10psと数100ps以上である)が観測された。粒径の増加によって、速い成分は増加し、遅い成分は減少することを見出した。これは微粒子粒径変化による光励起後の緩和過程プロセスの違いを示唆している。詳細については現在検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 高橋 徹治: "ポーラスSiの光音響スペクトルと発光特性"電子情報通信学会技術研究報告[超音波]. 99巻32号. 7-12 (1999)
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[Publications] 沈 青: "Photoacoustic studies of annealed cdS_xSe_<1-x> (x=0.26) nanocrystals in a glass matrix"Japanese Journal of Applied Physics. 38巻. 3163-3167 (1999)
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[Publications] 沈 青: "cdsse系ドープガラスの光音響スペクトル(アニール温度依存性)"第20回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 98-101 (1999)
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[Publications] 沈 青: "Photoluminescence and photoacoustic investigation of the photodarkening effect in cdS_xSe_<1-x> nanocrystal-doped glasses"Journal of Luminescence. 87-89巻. 444-446 (2000)