2000 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子によって固定化された金属およびダイヤモンド粒子の電解触媒
Project/Area Number |
11750710
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
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Keywords | グルコースオキシデーズ / 電流検出 / 微粒子 / ポリピロール / 物質移動 / ロジウム / バイオセンサ |
Research Abstract |
金属微粒子上で電極反応が起こると、通常には見られない触媒反応が観察される。申請者は以前、平板電極上に分散させたサブミクロン粒子を電極として、メタノール・ぎ酸・フェノールの酸化およびグルコース検出の際の過酸化水素の還元において、電位に利得があることを見出した。本研究では、金属微粒子を導電性高分子によって、固定化・安定化した膜を用いて触媒機能を調べることを目指した。 グルコースオキシデーズ(GOD)を含む溶液中で、ロジウムを電解析出したポリピロール被覆電極に0.0Vをかけたときに流れる電流は、グルコースの添加量と共に増加した。定常電流値に達するのに15分かかった。電流のグルコースに対する変化はほぼ一次であったが、原点を通らなかった。遅い応答は反応の遅さによるのではなく、溶液中の酸素の不足または膜内の遅い拡散による。これまでの理論によると反応拡散電流密度はj=-2F s^*κ√kD tanh[(L/2)√(k/D)]で表せる。ここでLは膜の厚さであり、s^*はGODの濃度である。この式を用いて、電流のLに対する変化からk/Dを算出した。D=2×10^<-5>cm^2s^<-1>を用いるとkκ^2=8×10^<-3>s^<-1>となった。 次に、ロジウム微粒子の代わりに酸化チタン粒子を溶液内に分散させ、光応答を測定した。紫外光を照射すると、電流は流れたが、ポリピロールがさらに酸化する電流と思われた。酸化チタン粉末を膜に取り込まずに溶液に分散させたところ、酸化電流はあまりに小さかった。類似の測定を、ダイヤモンド粒子を用いて光を照射せずに測定した。ロジウム粒子に見られた酸化電流の触媒効果は見られなかった。ダイヤモンド粒子の活性化またはイオンによるドーピングが必要と思われる。ダイヤモンドの粒子の電気化学的酸化では、活性とはならなかった。粒子の合成過程から考察する必要があることがわかった。
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Research Products
(1 results)