1999 Fiscal Year Annual Research Report
ルテニウム触媒を用いる炭化水素の不斉酸化反応の開発
Project/Area Number |
11750735
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小宮 成義 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00301276)
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Keywords | ルテニウム触媒 / マンガン触媒 / 不斉酸化反応 / 炭化水素 / ケトン |
Research Abstract |
アルカンの不活性C-H結合の温和な条件での酸化はそれ自体が困難であるため、さらに不斉酸化へと応用した研究はほとんどなされていない。本研究では、高活性で高い不斉選択性を発現する新しいルテニウムおよびマンガン錯体の設計を行い、これを用いるアルカンの不斉酸化反応の開発を行っている。まず、光学活性で剛直な架橋鎖(ビナフチル基)を有する新規サレン型配位子の合成を行った。金属の挿入について検討し、まず、マンガン錯体の合成に成功した。ルテニウム錯体については引き続き、検討を行っている。合成した新規マンガン錯体を用いてアルカンの不斉酸化反応を検討した。基質として対称面を有するアルカンを用い、プロキラル炭素のα位にある2種類のC-H結合のうち、いずれかを選択的に酸化することにより非対称化を行い、光学活性ケトンを合成することに成功した。この錯体の基質の適用範囲を調べたところ、アルカンだけでなく、アルケンの不斉エポキシ化反応にも非常に有効であることを明らかにした。引き続き、配位子の改良を行い、不斉収率の向上化を行っていきたい。さらに、サレン型以外の別の配位子として、配位子全体が剛直で、かつ酸化条件に対する耐性が高いものとしてポルフィリン環を有するルテニウム錯体の設計を行った。現在、ポルフィリンのメソ位に、環状骨格により配座の固定された大きな不斉源を有するルテニウムポルフィリン錯体の合成を行っている。
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[Publications] Murahashi S.I.: "Biomimetic Oxidations Catalyzed by Transition Metal Complexes"Imperial College Press (in press).
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[Publications] Murahashi S.I.: "Palladium Handbook"Jhon Wiley & Sons (in press).