1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ二核鎖体を用いた位置選択的結合活性化法の開発
Project/Area Number |
11750742
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小峰 伸之 東京農工大学, 工学部, 助手 (90302918)
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Keywords | ヘテロ二核鎖体 / 金属-金属間結合 / チイラン / 酸化的付加反応 / メタラシクロブテノン |
Research Abstract |
本研究ではヘテロ二核鎖体における複数の金属活性点の特徴を生かした有機合成反応や触媒反応の開発およびそのための基礎的知見を得ることを目的とする。 金属-金属間結合を有する有機ヘテロ二核鎖体(L_nRM-M´L_m,M=Pt,Pd,Ni,L_n=bpy,tmeda,Et_2NCH_2CH_2PPh_2,ML_m=MoCp(CO)_3,WCp(CO)_3,Co(CO)_4)を合成し、X線構造解析によりその分子構造を明らかにした。二座窒素配位子を有する有機Niヘテロ二核鎖体(bpy)PhNi-MoCp(CO)_3とチイラン類との反応では、脱硫反応が進行し、対応するオレフィン類を与えた。本反応は、紫外可視吸光スペクトルを用いた動力学的検討により、会合的プロセスを含む機構で進行していると考えられる。非対称PN二座配位子を有する有機白金二核鎖体(Et_2NCH_2CH_2PPh_2)MePt-MoCp(CO)_3とアセチレンジカルボン酸ジメチルと反応により、新規なメタラシクロブテノン錯体を得ることに成功した。 また、種々の二座窒素配位子存在下、Pd(0)鎖体への有機CoおよびMo鎖体の酸化的付加反応が進行し、有機Pdヘテロ二核鎖体が得られることを明らかにした。この反応は種々の有機ヘテロ二核鎖体の合成法になりうる。
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