1999 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性ロタキサン上での不斉情報の転写-超分子的組織化による有機合成反応場の構築-
Project/Area Number |
11750750
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木原 伸浩 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (30214852)
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Keywords | ロタキサン / 光学活性クラウンエーテル / ビナフトール / アンモニウム塩 / ジアステレオ面選択的ラジカル付加 / 不斉誘導 / 水素結合 / 中和-アシル化 |
Research Abstract |
ロタキサン上では各コンポーネントが共有結合を介さずに空間的に結び付けられている。そこで本研究は、キラルなコンポーネントを含むロタキサンを用い、プロキラルなコンポーネント上へ不斉誘導するという新しい方法論について検討することを目的に行った。ロタキサンとしては、クラウンエーテルと二級アンモニウム塩との相互作用を利用した系を用いた。まず、ロタキサン合成に適した光学活性クラウンエーテルとして、優れた不斉環境を構築するのに効果的なビナフトールを基本構造とする新規28員環クラウンエーテルを設計し、光学活性ビナフトールから直接環化法を用いて合成した。プロキラル面を持つメタクリル酸エステル構造を末端に持つ二級アンモニウム塩と擬ロタキサン形成させ、-50℃で嵩高いチオールをラジカル付加させたところ、光学活性ロタキサンが収率12%で得られた。得られたロタキサンを水素化アルミニウムリチウムで還元的に開裂し、得られたアルコールの光学純度を測定したところ6%e.e.であり、実際に不斉誘導が起こることが確認された。これは、ロタキサン上で不斉反応を行なった始めての例である。ロタキサン構造を持つ不斉触媒へ展開するために、ロタキサンのアンモニウム塩部位の中和とアシル化による触媒活性官能基の導入を検討した。ロタキサン中のアンモニウム塩部位は強い分子内水素結合のためそのままでは中和することはできなかった。しかし、過剰の塩基存在下で過剰のアシル化剤を作用させたところ、定量的にアシル化されることが明らかとなった。そこで、アシル化剤にニコチン酸クロリドを用い、酸化還元能を持つニコチン酸アミド構造の導入を検討したところ、定量的にニコチン酸アミド構造を持つロタキサンを得ることができた。この反応を利用した光学活性不斉酸化還元触媒への応用を検討している。
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[Publications] T. Takata: "Radically Polymerizable Pseudorotaxane Monomers: Versatile Building Units for Side Chain Polyrotaxane Synthesis"Chem. Lett.. (2). 111-112 (1999)
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[Publications] T. Takata: "Conjugate Addition-Approach to End-Capping of Pseudorotaxanes for Rotaxane Synthesis"Chem. Lett.. (3). 223-224 (1999)
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[Publications] N. Watanabe: "Synthesis and Structure of [2]Catenated Tertiary Octamide and Octamine"Chem. Lett.. (9). 915-916 (1999)
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[Publications] H. Kawasaki: "High Yielding and Practical Synthesis of Rotaxanes by Acylative End-Capping Catalyzed by Tributylphosphine"Chem. Lett.. (10). 1015-1016 (1999)
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[Publications] Y. Furusho: ""Unlock-Lock" Approach to [2] and [3] Rotaxanes: Entering of a Ring through Disulfide Linkage That is Unlocked by Thiol "Key""Chem. Lett.. (1). 18-19 (2000)