1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境にやさしい水の中での光炭素-炭素結合反応の開発
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11750754
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
山下 敏明 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (80191287)
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Keywords | 光増感反応 / 水 / 脂肪酸アルケン / アセトン / 炭素-結合 / t-ブチルアミン |
Research Abstract |
本研究は、光、水、芳香族ケトンの組み合わせにより、増炭試剤のC-H結合を切断し、それをオレフィンに導入することで炭素-炭素結合を形成するものである。以下の2つを目的とし研究を行う。 1 最適条件の探索-オレフィン、増炭試剤、芳香族ケトンの濃度や芳香族ケトンの種類を変えながら、収率の向上をはかる。 反応は、5-ヘキセン-1-オール〈1:3mmol)およびアセトン(30ml)を含む水溶液(100ml)をパイレックスフィルターを通して高圧水銀灯で光照射することにより行った。その結果、1にアセトニル基の付加した生成物1-ヒドロキシ-8-ノナノン(2)が22%の収率で得られ、さらにt-ブチルアミン(10ml)を加え反応を行うと、2の収率が49%に向上した。しかし、芳香族ケトンを添加しても収率の向上は認められず水が存在しないとは全く得られなかった。よって、本反の最適条件は1(3mmol)、アセトン(30ml)およびt-ブチルアミン(10ml)を含む水溶液(100ml)であることがわかった。 2 オレフィンの探索-基質の炭素数や二重結合の場所を変えながら、オレフィンの適用拡大をはかる。 (1) 水酸基を有するオレフィンの検討-反応基質に炭素数5の4-ペンテン-1-オール、炭素数4の3-ペンテン-1-オールを用いても、1と同様にアセトニル基の付加した生成物を得ることができた。しかし、二重結合が末端にないオレフィンでは副生成物が多く、また、芳香族置換オレフィンではシス-トランス異性化が起こるのみで、生成物を得るには至らなかった。 (2) 水酸基をもたないアルケンの検討-基質にシクロオクテンを用い反応を行うと、17%と収率は低いが、水酸基をもたないアルケンにもアセトニル基が付加し、1-シクロオクチル-2-プロパノンを得ることができた。
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