1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750794
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新宅 英司 広島大学, 工学部, 助教授 (50263728)
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Keywords | 応力センサ / 変動応力測定 / 応力頻度 / 圧電セラミックス / 積分回路 / 接着 / 圧電フィルム |
Research Abstract |
本研究は、構造物に負荷される応力を圧電材料により簡便に測定するためのセンサ開発を目的としたもので、本年度は以下のことを明らかにした。 1)構造物へのセンサの取り付け法: 圧電素子を使用したセンサにより構造物に作用する応力を効率的に測定するため、接着剤やセンサケース厚、センサの取付け方向について実験的に検討した。研究の結果、応力測定性能に直接関わる素子及びケースの接着に使用する接着剤と配線に使用する接着剤をそれぞれ確定し、応力伝達効率を考慮するとケース厚さは0.5mmが適当であること、センサはその取付け方向によらず構造物の応力測定が可能であることを明らかにした。さらに、多軸応力が付加された場合にその主応力方向を測定することを目的としたセンサの形状や、曲面を持つ構造の応力測定用に圧電フィルムの使用を検討した。 2)センサの測定性能: センサの測定精度、最大荷重などの実用面で要求される性能について実験的に検討を行った。センサを平滑試験片に取付けて試験を行った結果、応力速度0.05Hzから5Hzの引張り・圧縮の変動応力に対して150MPaの範囲でセンサの出力信号は応力に対して線形性を示した。また、センサの測定限界を明らかにするため、圧電素子を軟鋼平滑試験片表面に接着して引張り試験を行ったところ、試験片の降伏点230MPa程度、ひずみにして1300ストレインまでは確実に測定できることを明らかにした。 3)信号処理回路の改良: センサの測定精度および信頼性を向上するための改良を行うと同時に、測定期間を延長するための改良を行った。この結果、従来の測定時間12時間に対して1週間以上測定できる見通しを得た。 4)その他: 上記の簡易測定用センサの開発と同時に、平成12年度に実施する研究の準備として、圧電素子を自発的に振動させてセンサの取付け状況を診断する方法について予備実験を実施した。
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[Publications] Eiji Shintaku: "Study on simple sensor for stress history measurement of structural member using piezoelectric element"Journal of Marine Science and Technology. (発表予定). (2000)
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[Publications] 新宅英司: "圧電素子による構造物の簡易応力履歴計測に関する研究(第2報圧電素子の取付に関する検討)"日本造船学会論文集. 第186号. 401-411 (1999)
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[Publications] 新宅英司: "圧電材料による簡易応力履歴センサの開発"溶接構造シンポジウム'99 講演予稿集. 563-566 (1999)
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[Publications] 新宅英司: "圧電素子による構造物の簡易応力履歴計測に関する研究"船の科学. Vol.52,No.11. 36-37 (1999)