2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750794
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新宅 英司 広島大学, 工学部, 助教授 (50263728)
|
Keywords | 応力センサ / 変動応力測定 / 応力レベル発生頻度 / 圧電セラミックス / 電荷増幅回路 / 接着 / 高分子圧電フィルム |
Research Abstract |
本研究は、構造物にはたらく応力を圧電材料により簡便に測定するためのセンサ開発を目的としたもので、本年度は以下のことを明らかにした。 1)圧電材料の構造物への適用方法 曲面形状を有する構造部材の応力測定に関して、高分子圧電材料(圧電フィルム)を使用し、丸棒部材において、軸力、曲げ、ねじりなど、測定目的に応じたフィルムの形状、接着法を考案し、実験を行って各手法が有効であることを確認した。また同手法は、円孔などのように部材の形状変化による応力勾配の影響がある場合にも有効であることを実験的に確認した。さらに、圧電フィルムの面内異方性を利用することで、部材にはたらく多軸応力測定が可能となることを明らかにし、考案したフィルムの取付け法・配線法を実験的に検討した。 2)応力センサの信号処理回路の改良 昨年度は、圧電セラミック材料に適した信号処理回路の開発を行ったが、本年は圧電フィルムに使用する信号処理回路の設計・試作・検証をシミュレーションおよび回路実験を通じて行った。センサ回路には振動センサなどで使用される電荷増幅回路を使用し、フィルムの機械-電気特性を考慮することと、本センサで使用する低周波応力変動に適した性能を発揮するため、回路時定数などの回路構成の確立と、必要部品の選定をおこなった。この結果、フィルム用として十分実用に耐えうる回路を試作することができた。 3)信号処理方法の改良 本センサの測定信号処理には、発生応力範囲を多段階に分割し、各レベルの超過数を計数するレベルクロッシング法を使用している。昨年度までのアナログ回路方式を改め、本年度はマイコンを導入することで計数レベルの多段階化(12段階)と測定結果を選択的に表示できるように液晶ディスプレイを導入した。これにより、本センサをより実用に近いものとすることができた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Eiji Shintaku.: "Study on simple sensor for stress history measurement of structural member using piezoelectric element"Journal of Marine Science and Technology. Vol.5 Issue 1. 40-47 (2000)
-
[Publications] 藤本由紀夫: "構造物の長期応力度モニタリングのための高感度犠牲試験片の開発"日本造船学会論文集. 第187号. 355-364 (2000)