1999 Fiscal Year Annual Research Report
非定常3次元翼に発生するキャビテーションの数値解析に関する研究
Project/Area Number |
11750796
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安東 潤 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60211710)
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Keywords | 非定常 / 3次元翼 / キャビテーション / パネル法 / SQCM / Kuttaの条件 / 部分キャビテーション / スーパーキャビテーション |
Research Abstract |
本年度は非定常2次元翼を対象として非定常キャビテーションの数値解析上の諸問題を明らかにし、それらの解決に重点を置いた。 始めに計算法の概略を述べる。既に開発済みの2次元非定時SQCM(九州大学で開発したパネル法の一種、Kutta条件を容易に満足させることが可能)に従って時間領域での非定常計算を行なうこととし、渦保存則より後流渦の強さを時間ステップごとに求めながら計算を進める。キャビティ表面では圧力一定条件を、それ以外では物体表面条件を課し、吹出しおよび渦分布を求める。キャビティ形状は、これらの特異点分布から求まる流れの向きに沿うようにキャビティ表面のパネルを移動することにより得られる。キャビティ形状が収束するまでパネルを移動させた後、キャビティ後端の開き幅を調べ、これが目標開き幅と一致するまでキャビティ長さを変えながら繰り返し計算を行う。以上の計算が終了した後、後流渦を後方に移動させ、次のタイムステップに移る。計算時間を短縮するため、ある程度の間Wagner問題として取り扱い、その後非定常運動を始めるような工夫を施した。なお、本計算法は部分キャビテーションとスーパーキャビテーションの両方に適用可能である。 Wagner問題、Sinusoidal Gust中の問題、ヒービングおよびピッチング運動に対して本計算法を適用し、キャビティ形状や翼表面の圧力分布、翼の揚力・抗力を求めた。他の研究者の計算結果と本計算法の結果を比較したところ、同様な結果が得られることがわかった。また、非定常問題の場合、翼の非定常運動に対して、位相のずれが生じることが知られているが、本計算法でもこの傾向が表れており、本計算法の有効性が確認できた。来年度は本計算法を3次元問題へ拡張する。
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