1999 Fiscal Year Annual Research Report
海中ビークルの開発支援用フライトシミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
11750801
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 悟 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (00253542)
|
Keywords | 曳航体 / ケーブル / 運動制御 / 数値シミュレーション / ランプドマス法 |
Research Abstract |
海中ビークルの開発のためのフライトシミュレーションシステムにはシステムを記述する高精度な数学モデルが不可欠である。曳航式の海中ビークルにおいては曳航ケーブルの長さが数百メートルに及び系全体の運動特性において支配的になるため特に、その曳航ケーブルのモデル化が重要となってくる。本研究では従来ランプドマス法により離散モデルで近似されていた曳航ケーブルのダイナミクスに代わり解析的な数学モデルに基づくケーブルダイナミクスの計算を制御系の設計及びシミュレーション計算に取り入れた。即ち、曳航ケーブル運動方程式を無限次数の固有関数で展開し有限次数までの固有関数で近似した。得られた曳航ケーブル運動の近似モデルを曳航体運動方程式と連成させ曳航体開発用数学モデルとした。このモデルを用いることにより従来のランプドマス法を用いたモデルに比べて少ない状態変数でより精確にケーブルダイナミクスを表せるようになった。近年主流となりつつある現代制御理論に基づく制御系設計においては制御対象のダイナミクスを精確に表した数学モデルが不可欠であるが、曳航式の海中ビークルではケーブルのダイナミクスを精度良く記述するために、数学モデルの状態変数が増加するのを避けるのが困難であった。今回開発された数学モデルを用いればロバスト制御理論等の導入が簡単となり高精度な海中ビークル制御系の開発が期待できる。得られたモデルに基づき設計した制御系は実機に実装され海洋実験においてその有効性が検討された。その結果同程度の数の状態変数でランプドマス法により記述されたモデルによる制御系に比べ安定な制御性能を示すことが確認された。
|