1999 Fiscal Year Annual Research Report
雌雄異株植物アスパラガスの性決定遺伝子の単離とその育種学的利用
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11760002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩月 明 (菅野 明) 東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (10260449)
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Keywords | 食用アスパラガス / 性決定 / 雌雄異株植物 / ゲノム / ゲノミックライブラリー |
Research Abstract |
食用アスパラガス(Asparagus officinalis L.)は雌雄異株植物であり、この性分化は性染色体上の性決定遺伝子によって支配されている。この性決定遺伝子が単離されれば、アスパラガスの早期雌雄判別法の確立だけでなく、この遺伝子を他の作物に遺伝子導入して雌雄の形質転換作物を作出することによりF1雑種育成に応用することが可能となり、育種学上非常に重要な遺伝子となり得る。 性決定遺伝子の単離の第1歩として、本年度は食用アスパラガスのゲノミックライブラリーの作成を試みた。まず食用アスパラガスの偽葉からHonda and Hirai(1990)の方法を用いて全DNAを単離し、さらにフェノール/クロロホルム抽出を行うことにより、全DNAを精製した。制限酵素Sau3AIで部分切断した後、λベクターにライゲーションし、パッケージングさせることにより、λベクターを用いた食用アスパラガスのゲノミックライブラリーを作成した。現在食用アスパラガスにより単離された花器官形成遺伝子をプローブに用いて、スクリーニングを行っている。 また性決定遺伝子を単離する際にmap-based cloning法に利用するためには、YACベクターやBACベクター等の巨大DNA断片をクローニングできるベクターでゲノミックライブラリーを作成する必要がある。本年度は食用アスパラガスの偽葉から高速冷却遠心機等を用いて核分画を得た後、小型冷却遠心機等を用いて核DNAを単離する方法により高分子のDNA単離を試みたが、抽出段階で高分子のDNAが分解されてしまい、うまく行かなかった。現在様々な方法を試している。
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