1999 Fiscal Year Annual Research Report
サツマイモ野生種の自家不和合性遺伝子座に座乗する遺伝子の単離と同定
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11760005
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
土屋 亨 三重大学, 生物資源学部, 助手 (30293806)
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Keywords | 自家不和合性 / サツマイモ野生種 / S遺伝子座 |
Research Abstract |
サツマイモ野生種の自家不和合性は胞子体型であり、単一遺伝子座の複対立遺伝子(S遺伝子)により支配されている。サツマイモ野生種のS遺伝子座を単離するために、本年度は、S遺伝子座近傍(1.0cM)に座乗するSSP遺伝子からの染色体歩行を行うとともに、単離されたSSP遺伝子のゲノミッククローンの解析を行った。また、サツマイモ野生種の雌蕊で発現している遺伝子のESTカタログの作製を行い、それらの発現を調査した。 サツマイモ野生種のS_1S_1(H45-3)系統、S_<10>S_<10>(H77-2)系統の葉よりゲノミックDNAを調整し、λベクターを用いゲノミックライブラリーを作製した。SSP_<10>cDNAをプローブに用い、両ゲノミックライブラリーをスクリーニングして、SSP_1およびSSP_<10>ゲノミッククローンを得た。これらの構造解析を行うとともに、SSP遺伝子のコード領域周辺をサブクローニングして塩基配列を決定した。得られたクローンはいずれも約1.6Kbpの5'上流領域を含んでいたが、SSP_1とSSP_<10>で共通な領域は翻訳開始点上流の約370bpであった。従って、この領域が雌蕊特異的な発現制御に関与していると推定された。また、得られたゲノミッククローンの両末端をプローブに用い、更にゲノミックライブラリーのスクリーニングを行い、染色体歩行を進めている。 また、サツマイモ野生種のS_1S_1系統の開花前日の柱頭より、cDNAライブラリーを作製しランダムにクローンを選抜して、524クローンのESTカタログを作製した。これらのクローンの発現パターンをドットブロット分析により行ったところ、ポリガラクチュロナーゼ遺伝子と相同なクローンが雌蕊で強く発現していることが示唆された。
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[Publications] 土屋 亨: "イネおよびサツマイモ野生種の雌蕊ライブラリーからのEST解析"育種学研究. 1(別2). 228 (1999)
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[Publications] F.Hashizume: "Agrobacterium-mediated transformation and the usefulness of GFP reporter gene in leading varieties of Japonica rice"Plant Biotechnology. 16(5). 397-401 (1999)