1999 Fiscal Year Annual Research Report
イネいもち病抵抗性遺伝子の単離とそれを利用した耐病性植物の育種
Project/Area Number |
11760006
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川崎 努 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90283936)
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Keywords | いもち病 / イネ / 耐病性 / 抵抗性遺伝子 |
Research Abstract |
日本における主要穀物であるイネは、毎年、いもち病に対して多くの被害を受けており、いもち病に強いイネの育成が望まれる。しかし、いもち病抵抗性遺伝子の単離に向けた研究はほとんどなされていない。そこで、本研究においていもち病抵抗性遺伝子の単離とそれを利用した耐病性の誘導機構についての解析を行う。 植物の抵抗性遺伝子の間で高度に保存されている核酸結合部位の配列を用いたPCRクローニングにより、抵抗性遺伝子の核酸結合部位に似た領域をもつイネ遺伝子を単離した。イネいもち病抵抗性同質遺伝子系統を用いた解析より、単離した遺伝子(NBS6)と数種の病原体に対する抵抗性遺伝子座との関連が示唆された。そこで、イネcDNAライブラリーからNBS6の全長のcDNAの単離を行い、さらに塩基配列を決定した。その結果、NBS6は966個のアミノ酸からなるタンパクをコードしており、多くの抵抗性遺伝子で保存されている核酸結合部位とロイシンリッチリピートをもっていることが明らかになった。遺伝子データーベースにより相同性検索をおこなったところ、NBS6はトマトの抵抗性遺伝子である12Cと最も高い相同性を示すことがわかった。現在、このcDNAをカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターで強制発現させる遺伝子を構築し、形質転換イネを作成中である。今後、いもち病に対する抵抗性検定を行う予定である。
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