1999 Fiscal Year Annual Research Report
葉温と土壌水分の非破壊計測によるイネの干ばつ抵抗性の品種・施肥レベル間差異の評価
Project/Area Number |
11760010
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤井 道彦 静岡大学, 教育学部, 講師 (50228962)
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Keywords | 干ばつ抵抗性 / イネ / 葉温 / 土壌水分 / 非破壊計測 / 品種間差異 / 施肥レベル間差異 / TDR |
Research Abstract |
本研究は、イネの干ばつ抵抗性の品種・施肥レベル間差異を、葉温を土壌水分の非破壊計測から評価することを目標としている。圃場に、ジャポニカ・インディカの水稲・陸稲から、干ばつ抵抗性の異なるイネを8品種栽培し、ビニルハウス内で灌水頻度を少なくすることにより、水ストレス処理を与えた。本年度は、干ばつ抵抗性の品種間差異を中心として、熱電対による葉気温差の連続計測と深さ別土壌水分含量の計測を行った。土壌水分はTDR土壌水分計測法により計測した。長さ30cmのプローブを土壌中に挿入して、深さ10cmと20cmまでの土壌水分含量を、また区の中に埋め込んだチューブにチューブプローブを挿入して、深さ50cmの土壌深層まで5cm毎の深さ別土壌水分含量を計測した。葉温や気象データは、データロガーからノートパソコンに転送して解析した。 干ばつ抵抗性品種では水ストレス条件下でも乾物生産が高く保たれていたが、地表から深層までの土壌水分含量の低下が大きかったから、蒸発散量が大きいことが明らかになった。一方、干ばつ感受性品種の生長は大きく抑制されたが、土壌水分含量の低下は小さく、蒸発散量は小さいことがわかった。 また、干ばつ抵抗性品種では感受性品種よりも葉温が低く保たれ、このことからも干ばつ抵抗性品種は水ストレス条件下でも土壌水分を多く吸水して蒸散を高く保つことにより、生長を保っていることが明らかとなった。 以上により、本年度は干ばつ抵抗性の品種間差異を、葉温と深さ別土壌水分含量の非破壊経時計測により、地上部と地下部の両面から評価することができた。来年度は、干ばつ抵抗性の品種間差異について、土壌水分含量の経時変化をさらに長時間にわたり詳細に計測するとともに、干ばつ抵抗性の施肥レベル間差異について、地上部と地下部の両面から定量的に評価する計画である。
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