1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11760012
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平井 儀彦 岡山大学, 農学部, 助手 (80263622)
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Keywords | 維持呼吸速度 / イネ / 飢餓法 |
Research Abstract |
本実験では維持呼吸速度の低い品種の選抜を目的に、飢餓法によりイネの維持呼吸速度の品種間差異を調査するとともに、飢餓法の有効性について考察した。実験は、1999年5〜6月と7月〜8月の2回行った。イネ26品種を供試し、ガラス室において水耕栽培した。8〜9葉期に気温28℃の暗条件下に移し、7日間の展開葉の伸長量と暗期開始後0、1、3、5、7日目の茎葉部の暗呼吸速度を測定した。その後、部位別乾物重および窒素含有率を測定した。その結果、葉身の伸長は暗期開始直後は大きく、3日目以降は小さかった。また、暗呼吸速度は暗期開始後3日目まで急激に低下し、その後ほぼ一定となった。これらのことから、3-7日間の暗呼吸は維持呼吸に相当すると考えられた。この維持呼吸速度には有意な品種間差異が認められ、最大1.5倍の差があった。維持呼吸速度と窒素含有率との間には一定の関係が認められなかった。また、維持呼吸速度が低い品種では、暗期開始直後の暗呼吸速度も低い値を示した。以上の結果から、飢餓法により得られた維持呼吸速度には有意な品種間差異が認められ、維持呼吸速度の低い品種では、自然条件下においても維持呼吸速度が低いものと推察された。また、回帰法によって求めた維持呼吸速度と同様の結果が得られたことから、維持呼吸速度の低い品種の選抜に飢餓法は有効であると考えられた。 また、イネのシアン耐性呼吸の測定のための装置の作成を行い、今後はこの装置を用いて実験を進める。
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