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1999 Fiscal Year Annual Research Report

セイヨウナシ果実に含まれるデンプンが持つ生理学的意義の再評価

Research Project

Project/Area Number 11760015
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

村山 秀樹  山形大学, 農学部, 助教授 (40230015)

Keywordsセイヨウナシ / デンプン / 低温処理 / エチレン
Research Abstract

セイヨウナシ果実のデンプンに関する研究は,収獲適期の指標として用いる観点でなされたものがほとんどである。本研究は,追熟中および低温処理中のデンプンの消長を調べ,デンプンが持つ生理学的意義を解明することを目的とするものである。
実験には,収穫適期に採取した'ラ・フランス'果実を供試し、半数はただちに20℃で追熟を行い(20℃区)、残り半数は1℃で低温貯蔵を行った(1℃区)。20℃区と1℃区それぞれにおいて、収穫後30日間毎日1〜2果について、果肉硬度,果実内エチレン濃度(20℃区ではエチレン生成量)を測定したのち、果肉組織をサンプリングし、デンプン含量とエチレンの前駆物質である1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)含量(1℃区のみ)を測定した。
その結果、20℃区では、収穫後4日目までにデンプン含量が急激に低下し、7日目にはデンプンはほとんど消失した。エチレン生成量が増加したのは15日目以降であったことから、デンプンの分解はエチレン非依存性であることが示唆された。これに対して,1℃区におけるデンプン含量は、果実の個体差によるばらつきがみられたが、10日目ごろまで徐々に減少し、その後は低いレベルで推移した。1℃区における果実内エチレン濃度とACC含量は,ともに18日目以降に増加し始めた。
以上の結果から、セイヨウナシ'ラ・フランス'果実では、20℃での追熟中にデンプンがエチレンの生成に先駆けて急激に分解すること、また,低温貯蔵中においてもデンプンの分解はすみやかに進行することが判明した。さらに,セイヨウナシでは,果実を確実にかつ均一に追熟させるために,低温処理(2℃-10日間)が行われているが,今回の実験から,低温処理の意義は,これまで考えられていたエチレン生成の誘導というよりはむしろ,デンプンの分解であることが示唆された。

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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