1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11760025
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 雅史 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (00305161)
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Keywords | カンキツ / マンダリン / 染色体 / 核型分析 / 蛍光染色 |
Research Abstract |
本年度はカンキツにおける染色体の多様性を解明するため,まず染色体の前処理法および酵素解離条件を検討した。続いて,各種マンダリン類を供試し,それら染色体を蛍光染色法により分染し,品種間差異を明らかにした。 根端の前処理では 2mM,8-オキシキノリン温度が高いほど,また処理時間が長いほど染色体は収縮し,散在する傾向にあった。染色体の長さと散在の関係から,核型分析には10℃,4時間処理が適していた。 根端を解離するための酵素組成は1%セルラーゼオノズカ,0.75%マセロザイムR200,0.15%ペクトリアーゼY-23とした。この酵素で,37℃,45〜60分処理したときに良好な染色体像が得られた。 Chromomycin A_3(CMA)および4'-6-Diamidino-2-phynylindole(DAPI)を用いて蛍光染色を試みた。CMAで染色するとCMAに濃く染色される部分(CMA(+))が数本の染色体で明瞭に観察できた。一方,DAPI染色ではDAPIが染まりにくい部分(DAPI(-))部分が観察できたが,CMA(+)ほど明瞭でなかったので,今後の観察にはCMA染色を用いることとした。 原産地の異なるマンダリン5品種の染色体をCMA染色したところ,染色体はCMA(+)の位置から6種類に分類可能であった。それら6種類の各染色体数は品種間で異なっていた。 以上のように,カンキツにおける染色体の蛍光染色法が確立でき,マンダリン類内での多様性を一部明らかにすることができた。来年度は,更に多数のマンダリン類を用いてその多様性を解明するとともに,全染色体18本の識別を試みる。
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