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2000 Fiscal Year Annual Research Report

家蚕絹タンパク質をプレンドしたポリビニルアルコールゲルの人工皮膚材料としての利用

Research Project

Project/Area Number 11760038
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

後藤 康夫  信州大学, 繊維学部, 助手 (60262698)

Keywords絹タンパク質 / セリシン / ポリビニルアルコール / ゲル / ブレンド / 医用材料 / 酸素透過性
Research Abstract

新規な医用材料(特に人工皮膚)の開発を念頭にポリビニルアルコール(PVA)に絹タンパク質であるセリシンをブレンドしたゲルフィルムを作製し,その構造・物性について検討することによって以下の知見を得た。従来,セリシン単体であれば,硬くてもろい膜試料しか得られず,力学的強度は不十分であり,実用に供するには全く不適当なものであるが,セリシンにPVAとのブレンド(ブレンド中のセリシンの含率5-40wt%)によって,高い含水率を有しながらも力学的性質の優れたゲルフィルムが得られた。このブレンド試料に,さらに架橋剤としてN-メチロール尿素やクエン酸を加えて熱処理すると,セリシンやPVA等のポリマー成分の有する水酸基と架橋剤が化学反応し,架橋点が形成された。この架橋試料の水中での力学的性質は,架橋剤を添加していない系と比較して,より一層優れたものとなった。またN-メチロール尿素を架橋剤に用いると,セリシンの割合が90wt%(残り10wt%はPVA)と非常に高い場合においても,水中でかなり強靭なフィルムが得られた。この結果は,水中でセリシン主体のポリマーフィルムが利用可能であることを意味しており,今後バイオマスとして未利用率(廃棄率)の高いセリシンの有効利用につながる結果として期待される。セリシンを5-40wt%含んだ試料は,いずれも酸素透過性に優れたPVAゲルに匹敵する酸素透過係数を示し,医用材料としての高い有用性が認められた。さらに医用材料として利用する場合に非常に重要となるフィルム表面の状態を,接触角の測定を行った結果,いずれの試料もほぼ60-80゜であった。一般に医用材料に用いられているものは,接触角が60゜付近が良いとされており,本試料はその値に非常に近かったことからも,高い細胞増殖性を有する人工被覆材となりうる可能性が示唆された。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Masanobu Nagura, Rie Ohnishi,Yasuo Gotoh,and Yutaka Ohkoshi: "Physical properties and structures of cross-linked sericin membranes"Journal of Insect Biotechnology and Sericology. vol.1(in press). (2001)

  • [Publications] 田口誠司,奈倉正宣,大越豊,後藤康夫,塚田益裕: "ポリビニルアルコール/セリシンブレンドの構造と物性"絹製糸研究会誌. 9巻. 102-103 (2000)

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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