2000 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の血球崩壊毒素遺伝子の水平伝播及び毒素の作用機構の解明
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11760050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)
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Keywords | Staphylococcus aureus / γ-Hemolysin / Leukocidin / Panton-Valentine leukocidin / phage combersion |
Research Abstract |
1.PVL変換ファージの多様性 φSLTと名付けたPVL遺伝子を保有する新規ファージを取得し、PVLのファージ変換を証明した。さらにSLTゲノムの全塩基配列を決定し、すでに明らかにしたφPVL及びφPV83-proのゲノムとの比較を行った。φSLTは10bpの3'突出型cosを有し、62個のORFをコードする、42,941bpからなるゲノムを有していた。φPVLとφSLTでは、PVL及びatt周辺約6.4kbのみが共通の配列であり、それ以外の領域は全く異なっていた。一方、PVLのバリアントであるP83株のlukM-lukF-PVクラスター遺伝子を有するφPV83-proのゲノムは、φ11とφPVLの及び他のファージの配列からなっており、このうちcos及びmorphogenesis領域を含む約55%の部分はφPVLとほぼ完全に一致していた。これら3つのPVL変換ファージ/プロファージ、及びφ11の部分配列の比較した結果、これらのファージのゲノムが、組みかえ、調節と複製、バッケージングと頭部、尾部形成、溶菌の各機能モジュールが、それらの境界に位置するjunction部位で組み変わった、キメラ構造をとっていることが明らかになった。Junction部位の塩基配列は3者間で良く保存されており、これらがファージゲノムの再編成に関与していると推定された。 2.LukF成分の機能領域の解析 LukFのホスファチジルコリン(PC)との結合に重要な残基としてTrp177及びArg198を同定した。さらに、これら2残基間の残基をアラニンに置換する(アラニンスキャン)を行い、上記2残基以外にいくつかの残基が関与している可能性を示唆した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sachiko NARITA: "Phage conversion of Panton-Valentine leukocidin (PVL) in Staphylococcus aureus : molecular analysis of a PVL converting phage,φSLT"Gene. (In press). (2001)
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[Publications] Dan Zou: "Prophage, φPV83-pro Carrying Panton-Valentine Leukocidin genes, on the Staphylococcus aureus P83 chromosome : comparative analysis of genome structure of φPV83-pro, φPVL, φ11 and other phages."Biosci.Biotechnol.Biochem.. 64(12). 2631-2643 (2000)
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[Publications] 金子淳: "黄色ブドウ球菌の2成分性膜孔形成毒素の構成及び細胞崩壊機構."蛋白質核酸酵素. 46(4). 497-505 (2001)