1999 Fiscal Year Annual Research Report
オクタデカノイドシグナル伝達系に関与する配置固定型および抗β-酸化型化合物の合成
Project/Area Number |
11760082
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸嶋 浩明 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (50237088)
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Keywords | オクタデカノイド / シグナル伝達 / ジャスモン酸 / ビシクロ型化合物 |
Research Abstract |
単環性および二環性立体配置固定型ジャスモン酸アナログの合成を行った。単環性のラクトン型アナログとして5-オキサ-エピジャスモン酸(シス型)と5-オキサ-エピジャスモン酸(トランス型)の合成に成功した。合成においては三成分連結法を基盤とし短段階で十分な量的供給が可能になった。これらの化合物はジャスモン酸のシクロぺんタノン環をラクトン環とすることでカルボニル基のα-位の酸性度をさげたものであり、容易にシス-トランスの異性化を起こさない従来にないタイプのジャスモン酸プローブとして期待できる。二環性アナログとして、既知のカルバサイクリン合成中間体を用いジャスモン酸と同一の炭素数を有するbicyclo[3.3.0]型骨格を有するアナログの合成に成功した。この化合物はエンド二重結合を有するものだが、よりジャスモン酸と相同性のあるエキソ二重結合を有する異性体についても検討中である。同じく二環性アナログとして、ジャスモン酸メチルエステルを原料とし、C3,7位に二重結合を導入した後シクロプロパン化を経る合成経路でbicyclo[3.1.0]型化合物の合成も検討した。また新規抗β-酸化型OPCアナログとして、すでに合成した炭素数の異なるOPC類を基本原料とし側鎖上にシクロプロパン環および三重結合を有する化合物を中心に合成の検討を行った。合成された化合物の生理活性の評価は主にバレイショ塊茎細胞肥大活性および塊茎誘導活性を指標として進行中である。
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