1999 Fiscal Year Annual Research Report
光発芽レタス種子のジベレリン生合成・不活性化酵素遺伝子の発現の局在と光制御
Project/Area Number |
11760085
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
|
Keywords | 光発芽 / レタス種子 / ジベレリン / 不活性化酵素遺伝子 / 発現制御 / PCR |
Research Abstract |
植物ホルモンの一つであるジベレリン(GA)はレタス種子の光発芽誘導に重要な役割を担っていると考えられている.すなわち,レタス種子においては赤色光による発芽誘導時に活性型GAであるGA_1の内生量が増加することが示されており,本研究ではその内生量の調節を生合成と不活性化のバランスの観点から追究することを目的とした.われわれはすでに,活性型GAを直接生合成する3β-水酸化酵素をコードする遺伝子の発現が赤色光処理により誘導されることを示していたが,本研究では,不活性化段階について調べた.GAは2位の位置の炭素がβ位に水酸化されると不活性化されることがわかっており,その段階は2-酸化酵素により触媒されるので,まず,レタス種子よりそれをコードするcDNAをRT-PCRによりクローニングすることにした.用いた縮重プライマーは,シロイヌナズナとエンドウマメの酵素の間で相同性の高いアミノ酸配列に基づき,設計した.その結果,レタス種子から当該遺伝子を2種類クローニングし,全長塩基配列も決定した.ホモロジー検索の結果,その推定アミノ酸配列は他の植物の2-酸化酵素と最も高い相同性を示した.この2種類のcDNAをプローブとしたノーザンブロット分析により,これら2種類の遺伝子はレタス種子においては初期吸水だけで定常的に発現しており,光処理の影響は受けないことが示された.この結果は,GAの不活性化段階はフィトクロムにより制御されいないことを示唆した.また,レタス種子の発芽過程においては,これら遺伝子の発現は,活性型GAの投与よって正のフィードフォワード制御を受けないことも示された.
|