2000 Fiscal Year Annual Research Report
光発芽レタス種子のジベレリン生合成・不活性化酵素遺伝子の発現の局在と光制御
Project/Area Number |
11760085
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
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Keywords | 光発芽 / レタス種子 / ジベレリン / 不活性化酵素遺伝子 / 発現制御 / 発現局在 |
Research Abstract |
レタス種子の光発芽は、フィトクロムにより制御されており、それは植物ホルモンの1つであるジベレリン(GA)を介していると考えられている。すなわち、光発芽レタス(グランドラピッド)種子では赤色光による発芽誘導時に活性型GAであるGA_1の内生量が増加することが示されており、その内生量の調節機構として、活性型GAを直接生合成する3β-水酸化酵素Ls3h1遺伝子の発現が誘導されること、またそれを不活性化する2-酸化酵素遺伝子の発現は光条件により影響を受けないことをノーザンブロットハイブリダイゼーションにより解析した。本年度は、発芽誘導に律速と考えられるLs3h1遺伝子の種子内における発現局在をin situハイブリダイゼーションにより検討した。パラフィンに包埋し、調製した切片を用いて、当該遺伝子のアンチセンスRNAプローブを用いて検出を試みた。近赤外光で発芽を抑制した種子ではシグナルは検出できなかったが、赤色光で発芽を誘導した種子では、赤色光感受部位の表皮細胞、あるいは茎頂および維管束でシグナルが検出できた。また、もう一つの3β-水酸化酵素であるLs3h2遺伝子の発現はノーザンブロット分析同様、検出できなかった。以上の結果より、Ls3h1遺伝子が上記の場所で発現していることは発芽誘導に重要な役割を果たしていると考えられた。また、暗黒下でも発芽できるレタス品種(サンタナス)においては、暗黒下においてもLs3h1遺伝子の発現が検出できたこと、また明条件下においてはLs3h2遺伝子の発現が検出されたことも、予備的ではあったが、あわせて調査した。
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