1999 Fiscal Year Annual Research Report
酵母Three-Hybridシステムによる植物ホルモン受容体のクローニング
Project/Area Number |
11760093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 正治 京都大学, 化学研究所, 助手 (60303898)
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Keywords | 植物ホルモン / 3ハイブリッド / 2ハイブリッド / オーキシン / 受容体 |
Research Abstract |
【目的】酵母Three-hybrid法は既存のTwo-hybrid法に低分子リガンドを介在させ、リガンドとタンパク質の結合・相互作用を酵母細胞内でのレポーター遺伝子の転写活性化により検出し、低分子リガンド受容体遺伝子をクローニングする方法である。本研究では、(1)ニッケル-NTAとヒスチジンタグとの強固な結合をThree-hybrid法に応用して新しいスクリーニング法を構築する、(2)改良法を利用してニッケル-NTAと植物ホルモンを架橋した異種二量体化合物を合成し、植物ホルモン受容体をクローニングすることを最終目的としている。【方法と結果】まずグルココルチコイドの一種であるデキサメタソン(Dex)とニトリロ三酢酸(NTA)をスペーサーを挟んで架橋した異種二重体(餌)の合成を行った。またGAL4のDNA結合領域(GAL4BD)のC末端にヒスチジン残基6個を導入したタンパク質をコードするプラスミド(鉤針)を構築した。さらにGAL4転写活性化領域(GAL4AD)とグルココチコイド受容体(GR)との融合タンパク質をコードするプラスミド(獲物)を構築し、両プラスミドを酵母細胞内に導入した。形質転換した酵母細胞をニッケルを配位したDex-NTA合成リガンド添加培地上で培養すると、細胞内に吸収された合成リガンドを挟んで(GAL4BD-Histag)+(NTA-Dex)+(GAL4AD-GR)というThree-hybrid複合体を形成しGAL4転写活性化によるレポーター遺伝子の発現誘導が期待される。現在、このThree-hybridの形成による栄養要求性の回復、LacZレポーター遺伝子の活性化について、リガンド最少要求濃度、NTAやDex単独処理による競合阻害などの諸性質を調べることにより、本改良法を評価しているところである。
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