2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11760102
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 統子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (70303584)
|
Keywords | 炭水化物 / ピルビン酸キナーゼ / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
ピルビン酸キナーゼ遺伝子の炭水化物に応答するシスDNA配列はすでに決定されているが、そこに結合して機能する転写因子はまだ同定されていない。また、細胞外の炭水化物の情報が、細胞内でどうのように伝達されるのかは全く不明である。 転写因子を同定する目的でYeast One-hybrid法により炭水化物応答性エレメントに結合する転写因子のスクリーニングを行った。数種のcDNAライブラリーを換えて、スクリーニングを行ったが、結局本研究期間内に転写因子をクローニングすることができなかった。このことは、その未知の転写因子が炭水化物の情報に応答して初めてDNA結合能を持つ可能性を示唆している。 動物個体で見られる、炭水化物に応答するピルビン酸キナーゼ遺伝子の転写活性化は、樹立肝細胞株では全く観察されない。このことが、炭水化物の情報の細胞内での伝達機構の解明の妨害となってきた。そこで、肝臓の肝細胞にその性質が近く、また増殖可能な細胞株を得るために、SV40 Large T antigenを持つトランスジェニックラットから肝細胞株を樹立し、シグナルカスケードの解明ができる培養肝細胞株の取得を試みた。22クローンの細胞を得たので、様々な培養条件を変えて再選択を行い、炭水化物に応答する樹立細胞株の選択を試みたが、すべてのクローンで炭水化物に対する応答は見られなかった。増殖すること自身が応答性をなくしている可能性があるので、得られたクローンの細胞周期を同調させて、再度選択を行う必要がある。 また、炭水化物に対する応答性は、グルコキナーゼの活性に依存する可能性が示されており、グルコキナーゼの過剰発現肝細胞株を得たが、炭水化物への応答性は見られなかった。
|