1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11760105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 由佳子 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60212156)
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Keywords | 味覚 / 苦味 / うま味 / マウス / パッチクランプ |
Research Abstract |
本研究は受容体が関与する味覚受容機構を提唱・確立するために、苦味・うま味についてGタンパク質の関与を焦点にして以下のことを明らかにすることを目的とする。電位生理学的に異なる応答パターンを示す苦味についてGタンパク質の関与する成分を明確にし、さらに直接セカンドメッセンジャー量を測定し、時間的変化を知ることによって細胞内情報伝達機構のクロストークについて明らかにする。うま味についてはまずGタンパク質の関与の有無について明確にする。 苦味-パッチクランプ法によってキニーネ(10mM)味応答時に起こる膜電流変化を、生理的条件下と細胞内にGDPβsを導入した条件下で調べた。GDPβsは細胞内と導通するガラスピベットから拡散によって導入するが、ガラスピベットが細胞内と導通直後の味刺激時を生理条件下、拡散が十分におきた状態(3〜5分後)をGDPβs導入条件下とした。GDPβsは非分解性GDPのため、細胞内にいきわたるとGタンパク質系の応答は消失するはずである。しかし、キニーネに見られた大きな内向き電流応答は消失しなかった。このことから、キニーネで見られた内向き応答にはGたん白質が関与しないことが示唆された。 うま味-味物質はうま味を呈するグルタミン酸アゴニストのイボテン酸(1mM)で味細胞を刺激した。イボテン酸は、NMDA型・代謝型グルタミン酸受容体グループI,IIのアゴニストである。その結果、グルタミン酸応答でみられた内向き応答がみられた。このことから、グルタミン酸刺激で見られた外向き応答電流は、うま味応答でない可能性が考えられた。得られた内向き応答パターンは代謝型・NMDA型グルタミン酸受容体を介する応答でも得られることから更なる解析が必要である。
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Research Products
(1 results)