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2000 Fiscal Year Annual Research Report

リグニン形成に対する溶液化学からのアプローチ

Research Project

Project/Area Number 11760120
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

重松 幹二  岐阜大学, 農学部, 助教授 (00242743)

Keywordsリグニン / ヘミセルロース / 疎水性相互作用 / 分子軌道法
Research Abstract

1.ヘミセルロースによって形成されるリグニン反応場の環境の検討
リグニンの脱水素重合過程に対する反応場の溶媒効果について,半経験的分子軌道法を用いたコンピュータシミュレーションによる検討を行った。
リグニン前駆体のHOMO電位から,非極性環境であるペルオキシダーゼの反応サイトではp-クマリルアルコール>コニフェリルアルコール>シナピルアルコールの順で一電子酸化が起きやすいが,極性環境である水中ではその順序が逆になることが示された。さらに,非極性溶媒中に比べて極性溶媒中ではβ位炭素にラジカル電子の存在確率が高く,また4位炭素上の酸素原子の負電荷が高いため,遷移状態の活性化エンタルピーが極性溶媒中では高く,極性溶媒中でβ-O-4結合が形成しにくいことが示された。
2.ヘミセルロースに取り囲まれたリグニン前駆体の連鎖反応
ヘミセルロースによって取り囲まれる非極性反応場を,ポリエチレングリコールを用いて再現し,その粘度と疎水性の実測データと比較した。
疎水性を一定とした場合,生成物は粘度の影響を受けなかった。一方,粘度を一定とした場合,コニフェリルアルコールでは疎水性が増加するとβ-O-4型ダイマーの生成量が増加する傾向がみられた。シナピルアルコールは疎水性の高い溶媒中では反応が非常に遅く、原料が多く残存して反応生成物も少量のシリンガレジノールが得られたのみであった。
また,コニフェリルアルコールとシナピルアルコールが共存する反応系では,先にコニフェリルアルコールに生成したラジカルが転移するため,シナピルアルコールの反応が単独系より加速されたが,疎水性環境下でもβ-O-4型ダイマーの生成は認められず,共重合物も得られなかった。この原因としては,酵素系の反応では疎水性の条件下においても酵素の近傍は親水性の環境を形成しているためであると推定した。

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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