1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11760123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
巽 大輔 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60293908)
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Keywords | セルロース / カルボキシメチルセルロース / カードラン / ゲル形成 / 溶液 / 分子特性 / 動的粘弾性 / アルミニウムイオン |
Research Abstract |
セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、以下CMCと略)の水溶液中におけるCMC分子と金属イオンとの相互作用を検討した。具体的には、CMC水溶液にアルミニウム塩を添加し、その系の周波数分散動的粘弾性挙動を測定した。その結果、低周波数領域に分子よりも大きなサイズに由来すると考えられる弾性率の平坦部が現れた。この平坦部の出現をミクロゲルの生成によるものと考え、系を遠心分離したところ、アルミニウムイオンを多く含んだゲルが分離できた。すなわち、アルミニウムは系中に均一に分布しているのではなく、局在していることが明らかになった。 次に、セルロースと同様に構成単位がブドウ糖のみからなる多糖であるカードランについても、その分子特性の検討を行った。カードランはDMSOなどの極性溶媒には溶解するが、これに水を添加すると系はゲル化する。この系の動的粘弾性挙動を測定したところ、系の弾性率は添加した水の量に比例して増大することが明らかになった。また、NMRを用いて系中に含まれる水の緩和時間を測定したところ、カードランゲル中には緩和時間の異なる2種類の水が存在することが判明した。このうち、一方はDMSO中に分散していると考えられるが、もう一方はカードラン分子近傍に存在してカードランゲルの架橋点形成に関与していると考えられる。 現在は、セルロース/極性溶媒の粘弾性挙動を測定し、セルロース分子の溶液中における構造および溶媒との相互作用について考察している。
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