1999 Fiscal Year Annual Research Report
CVMによる環境保全型農業導入にともなう地域環境の変化の経済評価
Project/Area Number |
11760156
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 弘二 宇都宮大学, 農学部, 助手 (40261820)
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Keywords | CVM / 支払い意志額(WTP) / 受入れ意志額(WTA) / 環境保全型農業 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 (1)環境保全型農業の導入によって期待される地域環境の変化を整理する。 この点については,文献サーベイが中心となった。環境保全型農業を地域で導入する事例は近年増加してきている。これらの地域では,農地周辺の自然環境・生態系の改善がみられている。象徴的な例として,ホタル・メダカなどの水棲動物の復元などが挙げられる。また,生産される農産物の安全性の向上とともに,飲用水の安全性の向上が期待できる。 (2)CVMに関連する研究の論的整理を行う。特に,権利想定の違いに伴う,支払い意志額(受入れ意志額)の相違について整理する。 CVMによって同じ財を評価する場合,支払い意思額よりも受入れ意志額が2〜3倍程度の大きさに推定されるのが一般的である。この理由の一つとして,CVMにおける戦略的バイアス(支払う場合にはできるだけ小さい金額で済まし,受け取る場合にはできるだけ大きな金額を受け取ろうとする回答行動)が考えられる。この点を考察するために,回答を3つ以上の選択肢(例えば,Yes/多分 Yes/分からない/多分No/No)の中から選ぶ「多項選択法」による調査が有効と考えられる。 (3)調査地域を選定し,CVM調査の設計を行う。 この点については,まだ不十分であるが,茨城県八郷町などを候補地として考えている。
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