2000 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力場植物実験のための根圏支持培地と養水分供給法の開発
Project/Area Number |
11760176
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
斎藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (50221990)
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Keywords | 微小重力 / 植物栽培 / 緩効性肥料 |
Research Abstract |
開発した、セラミックヌードルを用いてオオムギの栽培を試みた。発芽は、ヌードル間に埋めこむ、接触する程度で100%に近い発芽が確認された。また、表面1cm程度をヌーードルのループを小さくすることにより、種子は良好に保持され、人為的な過Gにおいても、種子が培地から脱落するなどの問題は認められなかった。また、栄養生長期においても生育は、対照区と比べ遜色は無かった。さらに、本実験の目的とする、宇宙環境でのseed to seed実験に重要となる、生殖生長での出穂、結実も成された。また、60日間の栽培期間において、毛管現象による水分移動・吸収・蒸発の過程で生じる、表面への塩類の析出が若干見られた。しかし、ポーラス度の高い試験区では、セラミックの内部孔隙の繋がりが良いため、毛官能の減少は確認されなかった。しかし、本対象植物は、耐乾燥性・耐塩性が高い事が挙げられ、培地内水分含量の高い対照区に比べ、含水量が低い本試験区で生長量に差異が生じなかったことは、種の特性に起因する部分が大きいと考えられた。 初年度に、自己溶解型の緩効性肥料の溶出特性を明らかにすると共に、その溶出特性を定式化した。その知見を基に、24時間日長でのオオムギの結実までのライフサイクルを短くした条件下で、添加量を決定し栽培を試みた。どの試験区においても、対照区と有意な生育差は観察されなかった。また、含有量の少ないMg濃度の下限を満足するために、添加量が増えたことによる多量元素が上限に近づく状態が確認はされたが、生育遅延、過剰には結びつかなかった。
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