1999 Fiscal Year Annual Research Report
植物群落における下向き水移動機構の解明と定量的評価
Project/Area Number |
11760180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
町村 尚 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30190383)
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Keywords | 下向き水移動 / 植物群落 / 茎流ゲージ |
Research Abstract |
本年度研究計画では、ポット植樹木における茎流量と水ポテンシャルの測定から、双方向茎流量測定法の確立と通水抵抗および水容量の算定を行う予定であった。しかし交付決定が遅く事業開始が12月になったため、植物の生長期間に間に合わず、当初の計画は達成されていない。 本年度は、次年度の測定の準備作業として、茎流ゲージ測定のための温度コントロールおよび計測プログラムの作成と、茎流ゲージによる双方向測定誤差の数値シュミレーションをおこなった。このうち、茎流ゲージによる双方向測定誤差の数値シュミレーションについて、いかに概要をのべる。 既存の茎流ゲージ(Dyna Gage SGB19)による双方向茎流測定誤差原因と補正法を、数値シュミレーションによって明らかにした。ゲージ構造の非対称性に起因して、ゲージ上下の温度差の誤差が無視できないことがわかった。これを補正するため、ゲージの2対の熱電対の電位差の加重平均が有効である。また従来の計算法では茎流量がゼロ付近において、茎流量計算値が発散してしまう。このため、茎流量が小さいとき、上下温度差を使用せずに茎流による損失熱量と茎流量の間の関数関係から茎流量を推定する方法を考案した。過去のアオダモ樹に使用したデータにこの補正法を適用した結果、その効果が認められた。
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