1999 Fiscal Year Annual Research Report
感染予防へ向けたレクチン産生性ビフィズス菌の細胞接着機構の解明
Project/Area Number |
11760186
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
向井 孝夫 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (20229917)
|
Keywords | ビフィズス菌 / 付着 / プロバイオティクス / レクチン |
Research Abstract |
本研究の最大の目的はレクチン産生性ビフィズス菌の細胞接着性を解明し、病原微生物に対する感染防御のために適用することにある。この目的のために申請者がこれまでその存在を示唆してきたビフィズス菌のレクチンの同定および精製を試み、ビフィズス菌の細胞接着性に対するレクチンの役割を明らかにすることとした。また、ビフィズス菌やこの菌が産生するレクチンの腸管毒素原性大腸菌(ETEC)やH.pyloriの細胞への接着に対する阻害活性を検討することとした。 これまで、Bifidobacterium bifidum IV-2株が糖脂質の一種であるアシアロGM1(GA1)に特異的に結合することを示し、消化管上皮細胞への付着に関与していることを示唆してきた。本菌株のGA1への結合タンパク質のアフィニティー精製を試みたところ、56kDaおよび16kDaタンパク質が得られた。これは以前我々が提示した結果とは異なるものであったが、本実験ではアフィニティー精製を試みたものであり、確実にGA1結合タンパク質が得られたものと考えている。さらに現在、本タンパク質の遺伝子構造を解析中であり、解析後は大腸菌で発現させることによって再確認する予定である。 また、本菌株のETECの複数の菌株に対するCaco-2細胞への付着阻害効果を検討したところ、ETECのある菌株に対しては60%程度の阻害効果を示した。
|