1999 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析による牛脂肪交雑基準の自動判定とその遺伝子的評価に関する研究
Project/Area Number |
11760189
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
口田 圭吾 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (50271747)
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Keywords | 画像解析 / 脂肪交雑 / 遺伝的パラメータ / 黒毛和種 |
Research Abstract |
わが国において枝肉の価値に大きな影響を与えているBMSナンバー(BMS)は、脂肪交雑の面積割合、脂肪交雑粒子の大きさや形状、脂肪交雑の配置バランスについて総合的に評価された数値と考えられる。これらのBMS判定に影響する要因について、遺伝子的な評価ができれば、黒毛和種の改良効率が向上する可能性がある。それ故に、これらの各要因を画像解析の手法を用いて数値化し、遺伝的パラメータを推定することを本研究の目的とした。 本研究では、デジタルビデオカメラで撮影した鮮明な第6-7肋骨間枝肉横断面の静止画像を持つ923頭の黒毛和種去勢牛を用いた。それらの静止画像を口田らが作成した画像解析プログラムによって、画像解析形質を算出した。さらに、SASの重回帰分析により、画像解析形質を説明変数としてBMSナンバーを推定した(推定BMS)。遺伝的パラメータの推定には、正準変換により多形質を考慮したREML法(Misztalら)を用いて、枝肉形質(9形質)および画像解析形質(5形質)に対して行った。 格付員によるBMSナンバー(格付BMS)、脂肪面積比および推定BMSの遺伝率は、それぞれ、0.48、0.58および0.52と推定され、若干、推定BMSの値が、格付BMSと比較して、高くなる傾向にあった。また、格付BMSと脂肪面積比および推定BMSとの遺伝相関は、ともに高い正の値(それぞれ、0.98、0.97)が推察された。これら3形質とその他の枝肉形質および画像解析形質との遺伝相関は、いずれの形質に関しても近似したことから、脂肪面積比および推定BMSは、格付員によるBMSと同様に黒毛和種の育種改良の指標として有用であることが示唆された。
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