1999 Fiscal Year Annual Research Report
E.cellulosolvensのセルロース結合性タンパク質に関する研究
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11760190
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
豊田 淳 茨城大学, 農学部, 助手 (00292483)
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Keywords | ルーメン / セルロース / セルロース結合性タンパク質 / セルロース分解 / セルラーゼ / 共生細菌 |
Research Abstract |
ルーメン内主要セルロース分解菌の一つであるEubacterium cellulosolvensのセルロース分解機構を解明するために、セルロース分解に関与すると考えられる本菌由来のセルロース結合性タンパク質(CBPs)の検索を行った。E.cellulosolvensの培養液遠心上清からアビセルセルロースに結合するタンパク質を分離・溶出後、SDS-PAGEによりタンパク質を検出した。その結果、CBPsが数種検出され、分子量約170KDa(CBP170)に主要バンドが存在した。平成11年度の研究実施計画として、(1)CBP170の精製、(2)CBP170の内部アミノ酸配列の決定、(3)抗CBP170抗体の作成を予定した。(1)についてはCBP170をSDS-PAGEで分離後、該当バンドから直接精製した。50リッターの培養上清から約1.7mgの精製タンパク質を得た。(2)精製CBP170をStaphyrococcus aureus V8プロテアーゼで部分分解し、ペプチドのアミノ酸配列解析をエドマン分解法により試みたが、解析可能なペプチドは得られなかった。(3)精製CBP170を抗原としウサギでポリクロナール抗体(抗CBP170抗体)を作成した。この抗体を用いてCBP170の発現部位を検討した。ウエスタンブロット法により、CBP170は主にE.cellulosolvensの菌体外に発現していることが明らかとなった。また、他のルーメン細菌に抗CBP170抗体に認識されるタンパク質が発現しているか検討した。調べた16菌種の中で、この抗体に認識されるタンパク質を発現するものは培養遠心上清、菌体ともに存在しなかった。以上が平成11年度の研究実績の概要である。
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