1999 Fiscal Year Annual Research Report
希少な日本在来ウシにおける超音波ガイドを用いた卵胞発育動態の解析と経腟採卵
Project/Area Number |
11760195
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大久津 昌治 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70233062)
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Keywords | 希少動物 / 口之島野生化ウシ / 超音波画像診断 / 卵胞発育動態 |
Research Abstract |
口之島野生化ウシは,古代和牛の形質を受け継ぐといわれる貴重な遺伝資源のウシであるが,現在絶滅の危機に瀕している。本研究では,この希少な日本在来ウシを保護・増殖するための基礎的研究として,まず個々の雌において卵巣の連続した超音波画像診断により卵巣内の卵胞発育動態を調べ,野生化ウシの卵巣機能を視覚的に解析した。11年度では、同一雌の連続した発情周期に渡る卵巣内の卵胞発育動態を調べるとともに、肉眼的に発情徴候を観察した。F1種(黒毛和種×ホルスタイン種)の雌では、ほぼ一定間隔で明確な発情がみられた。各発情周期中の卵巣内に確認できた卵胞をその直径により大型卵胞(10mm以上)、中型卵胞(5mm以上10mm未満)および小型卵胞(2mm以上5mm未満)に分類した。これらのウシでは、発情周期中に中型卵胞群の発育・閉鎖退行の卵胞波が2回あるいは3回みられ、各波においておおむね1個の大型卵胞(優勢卵胞)が出現した。各発情周期の最終卵胞波の優勢卵胞が排卵し、その後、同部位に黄体の形成が認められた。一方、野生化ウシの雌においては、肉眼的に観察された発情徴候が微弱で発情の確認が困難な場合が多かった。超音波画像診断により野生化ウシの卵巣内においても、F1種と同様に中型卵胞群の卵胞波の出現、優勢卵胞の出現、最終卵胞波の優勢卵胞の排卵および黄体形成が確認された。しかしながら、各発情周期中の小型卵胞および中型卵胞の総数がF1種に比べて少ない傾向がみられた。
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