1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11760200
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 直樹 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (80301951)
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Keywords | 副腎髄質 / PC12 / レプチン受容体 / カテコールアミン放出 |
Research Abstract |
ラット副腎髄質分離細胞ならびにラットクロム親和性細胞(PC12)でのレプチン受容体(0b-R)の存在を確認し、カテコールアミン放出反応に対する作用を検討した。 (1)RT-PCR法により0b-RのmRNAを検出したところ、ラット副腎髄質細胞ならびにPC12細胞において、シグナル伝達生の高いロングフォームのOb-Rの存在が確認できた。 (2)これらの細胞においてレプチンによってMAPキナ-ゼのリン酸化が生じることを確認された。これらの結果から、ラット副腎髄質細胞とPC12細胞に生理学的に活性のある0b-Rが存在していることが明らかになった。 (3)レプチンはラット副腎髄質細胞、PC12細胞からのカテコールアミン放出を促進しなかった。 (4)NGFにより分化したPC12をレプチン存在下で数日培養すると、自発性のドーパミン放出が抑制された。未分化なPC12をレプチン存在下で培養しても自発性のドーパミン放出反応に影響はなかった。 (5)レプチンはNGFにより分化したPC12からのアセチルコリン、ATP、高濃度カリウムによるドーパミン放出反応には影響を与えなかった。 (6)レプチンはNGFにより分化したPC12細胞中の、ノルアドレナリン/ドーパミン含量比を増加させた。 (7)レプチンはラット副腎髄質細胞からのカテコールアミンの自発性放出やアセチルコリンによるカテコールアミン放出反応に対してなんら影響を与えなかった。 以上の結果より、ラット副腎髄質細胞とPC12細胞には機能的なレプチン受容体が発現しており、PC12細胞において、この受容体が慢性的に活性化された場合にカテコールアミンの自発的な放出が抑制されることが示唆された。今後、レプチンの作用機序を解明していく予定である。
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