1999 Fiscal Year Annual Research Report
動物ヘルペスウイルスと宿主との共存関係:糖蛋白と宿主因子の相互作用に注目して
Project/Area Number |
11760205
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
前田 健 山口大学, 農学部, 助教授 (90284273)
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Keywords | ウマヘルペスウイルス / 糖蛋白gG / ネコヘルペスウイルス1型 / DNAワクチン |
Research Abstract |
ウマヘルペスウイルス1型(EHV-1)および4型(EHV-4)の糖蛋白gGを用いた型特異的ELISAを使用することにより、これまでワクチン接種による抗体価の上昇と自然感染による抗体価の上昇を識別することが不可能であった馬鼻肺炎の疫学調査を可能にした(S.Yasunaga,K.Maeda,et al.In press)。これは糖蛋白gGに対する抗体が感染によってのみ誘導されることを示唆している。 また、EHV-4糖蛋白gGの型特異領域には24アミノ酸からなる繰り返し配列が存在しており、そこに強い免疫原性があることを見出した。また、この領域を12アミノ酸の5種類の合成ペプチドを作製することにより、G1(MKNNPIYSEGSL)に強い免疫原性が存在することを見出した。また、この領域に対してはIgM抗体が誘導されておらず、通常の免疫反応とは異なる別の免疫反応が存在する可能性が示唆された。 ネコヘルペスウイルス1型(FHV-1)gB,gC,gDおよびEHV-4gB,gC,gD,gGのDNAワクチンの開発に成功し、ネコにおいてFHV-1gB,gC,gDの混合接種がFHV-1に対する感染防御に、EHV-4gB,gC,gDがマウスへのEHV-1感染防御に有効であることを示した。今後は、それぞれのDNAワクチンをネコあるいはマウスに接種することにより、免疫原性を比較することで、宿主と糖蛋白の関係が明らかにされることが期待される。
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